愛より淡く
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2007年01月09日(火) なんとなく、わかる

川上弘美さんの短編集「ざらざら」の中の

「山羊のいる草原」の一節を思い出す。


「中林さん、と口に出して言ってみたが、何も感じなかった。

じゃあ、あたし、中林さんのこと、もう好きじゃないんだ。

中略

中林さんが、かわいそう、とあたしは思ったのだ。

あんなに好かれていたのに。もう、ひとかけらも好かれていない。ひとかけらも嫌われていない。

なんの感情も、あたしにいだかれていないんだ


という記述が、印象的だった。



ふっきれた後のむなしさのようなものかしら?

お祭りの翌朝の気持ちと似ているかも。全然違うかも。




かつてあれほど好きだったのに、そういう感情がひとかけらも残っていない人に対して「かわいそう」って、思ってしまう気持ち


なんとなくわかる。








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テキスト庵さん