愛より淡く
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昨日また、昔好きだった人その2が夢に出てきた。
どこかの居酒屋で、ばったり出会ったのだ。私の知らない誰かと3人で飲んでいた。今の同僚なのかもしれないと夢の中の私は思っていた。
私は、会釈をして、その人の前を通り過ぎ、その人から遠くはなれた席についていた。
席についてもどこか上の空で、ついついその人のところに、目が行ってしまった。
その人は、見慣れていたスーツを着ていて、あの頃のままだった。全然変わっていなかった。
その人も時々、こっちを見てくれたけど、視線が合うのがなんだか恥ずかしくて、ついついそらしてしまっていた。
夢の中の私は、自分の口紅のことを気にしていた。すっかりはがれているだろうと思って、気にしていた。
こんなことになるのなら、さっき塗り直しておけばよかった。なんてことも思っていた。
心はわけもなく華やいでいた。
そうこうしているうちに、その人たちは席を立ち、店を出ようとしていた。
いてもたってもいられなくなって、私も立ち上がり、その人の後を追うように店を出てしまった。バックは店に置いたまま、周りの人に事情も話さずいきなり、そんな行動をとっていた。
夢中でその人を追いかけ、ようやく追いつき、そして、声をかけた。
その人は、かなり驚いていた。
「営業所のメンバーもだいぶかわった?」 「今もあの営業所にいるの?」
というようなことを話しかけていた。
返事は覚えていない。
あれよあれよというまに駅についてしまった。
もっといっしょにいたかったけど。
その人は、他の同僚らしき人といっしょに電車に乗り込んで、
そして、行ってしまった。
私はしばらくホームに立ちすくんでいた。
それから我に返り、店に戻ろうとしたのだけど、どうやって戻ればよいのか さっぱりわからなくなっていた。道順がわからないのだ。
「でもバック置きっぱなしやったし。財布にお金も入っているし」
心細い気持ちで、なんとか店にたどりつこうとしていた。
でも、どこをどう行けばその店に着くのかさっぱりわからない
人に訊こうにも、店の名前も何もわからなかった。
ああもうあの店には戻れないのだ。それでもお金も一銭もないので、家にも帰れない。
ああ、ああ、いったいこれからどうすればいいのだろう。
と、絶望的な気持ちになっているところで目が覚めた。
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