ニューヨーク俳優修行日記
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2002年06月03日(月)

Kings 敗れる


NBAのウエスタンファイナルが昨日あった。
もつれにもつれ第7戦。
しかも、延長までされたのに、KINGSが負けてしまった。
勝てた試合だったのに、とにかく残念だ。
こうなったらNETSにLakersをたたいてもらうしかない。
しかし、彼らも大変だ。
水曜日にはファイナルの第一戦が始まる。
大金を貰っているんだから、同情はしないけど、すごいと思う。
がんばれNETS。

土曜日はとんでもなく長い一日だった。
前の晩はバスケを観ながら学校の準備をしたせいで
寝たのは1時過ぎ。
土曜日は早起きをして台本の最後の確認。
そして、2時まで子供たちと渡り合ってから
3時には最後の通し稽古。
そして5時には初回。
軽い夕食を食べて8時から2回目。
そして、そのあとは打ち上げで家に帰ったのは12時過ぎだった。

まず、3時の通し稽古はやっぱり疲れていたのかミスが目立った。
台詞は噛むし、妙な間が出きるしで、自分でちょっとやばいと思った。
そして、ちょっと休憩したあとにいよいよ本番。
お客さんは全部で20人ぐらい。
緊張はしたけど、やっている間に何度も深呼吸をしてなんとか
体を落ち着かせた。出来はまあまあ。

短時間の間に2回通したお陰で随分と余裕が出来た。
そして、吉野家の牛丼を食べた後、いよいよ、8時の本番。
この回はエアコンのせいで空気が乾燥してコンタクトがとても
ドライになり、おまけに寒いからトイレにも行きたくなるし、
さらに追い討ちをかけるように咳が止まらなかった。
にもかかわらず、出来は良かったと思う。

今回の台本は僕の波長と合うようで、読んでいるだけで
いろいろと情景が浮かんでくる。こういう本だととてもやりやすい。
しかも、日本人と言う設定だったから、台詞が聞き取れれば
発音自体は問題にならない。
そしてやはり演出家は元青年団の人だけに、
とても静かで間を取っても平気な演技を要求されたので
僕は自分の体のリズムで無理なく台詞が言えた。

共演者もいい人たちでとても楽しい。
特に僕の妻の役を演じた女性はとてもよかった。
あとでうちの相方も彼女がとてもよかったといっていた。
ちなみに僕の事は北野武の優しい版とのことだった。
とても光栄である。
僕自身は大杉漣をイメージしていた。
とにかく、久しぶりに台詞の多い舞台で楽しかった。

この夏はおとなしくしていようと思ったけど、
こういうのがあるとすぐにでも舞台に戻りたくなる。
今回はリーディングと言うこともあって入場料は定額ではなく
寄付金という形で徴収した。それでも皆なかなか寛大だったようだ。

寄付金と言うのはこちらではとてもよく聞く。
Donation.
僕のいる劇団も活動資金の一部を寄付金に頼っている。
劇団を非営利団体として登録すると、そこへの寄付金は
税金控除の対象となる。
とても多くの団体がこうした形態で運営されているし
さらに多くの人が惜しげもなく寄付をしてくれる。

全然関係ないけど、先日、地下鉄の中で寄付を請うとても不幸の影が
濃そうな女性に、僕の横に座っていた男性は$50冊を押し付けるように
してあげていた。まるで、これをやるから少し黙ってくれと
言わんばかり渡し方だった。行為自体は慈善なのだけれど
すごい偽善なのかなあと今思った。










      

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