嫌いな食べ物「キュウリ」
2002年04月15日(月) |
死ぬように生きて居たくは無い。 |
と、聞き取れるだけの歌詞。誰の歌詞だかは知りません、知り合いの家で流れていた、記憶に残るその言葉だけ。続く言葉は…。
そこに愛が待つ故に。
だったかしら?
私のサイトのネーミングと酷くリンクしていそうで、簡単に恐ろしくなったのを覚えています。そしてその人とは全く価値観が違うのでしょう。それとも一緒かしら。死ぬように生きて居たくないけど、結局は死ぬように生きるしかないことを知っている?息をするだけで死んでいくことを。そして息を止めることが難しいことを。生きるという、死ぬ行為にしがみ付いていることを。
私はある一方で、酷く可愛がられる。ある一方で、酷く愛される。ある一方で、酷く恐怖される。ある一方で、欲望の吐き出し口として使われる。ある一方で、理論する対等の相手にされる。そしてある一方で、汚らしいゴシップの話題に晒され、私の顔さえ知らない人たちの話題にすらのぼる。そうして興味だけの瞳を浴びる大教室で、一人寝息を立てる。机に広げた真っ白なノート、置かれた動かない携帯電話、一つ光るモンブランの万年筆。私は何も知らない顔をして一人で寝ている。…ふりをしている。両腕に隠された私の瞳から、汚い他人事の色情事を想像力豊かに掻き立てる人たちへの絶望の涙が流れているのを、知っている人は誰も居ない。
私は否定をしない。どの人の中で私がどれだけ酷い娼婦でも、どの人の中で私がどれだけ精神異常者でも、どの人の中で私がどんな暗い過去を持っていようと。言いたいだけ言えば良い。知りたいだけ想像すれば良い。私はそんな人たちに話をする唇すら持たないのです。
興味本位で私と喋るのは楽しい?
私に話し掛けられて自慢するほどに嬉しい?
私は貴方達のステータスなの?
自分を作る為に喋らないわけではない。高貴を気取る為に笑わないわけではない。孤独を踏み躙る為にヒールを履いているのではない。私は唯涙を流すだけです。そして何も書かない白いノートに涙の痕を日記として記すのです。毎日、毎日、何時かその痕が途切れる日が来るのを望みもしないで。溺れるだけ溺れて。溺れるだけ。溺れて。しまうのです。
貴方達に迎合して、深めのスリットからティ・バックを見せることも出来る。
貴方達に迎合して、毎日色の違う薔薇を胸に抱えることも出来る。
貴方達に迎合して、このモンブランの光る万年筆で喉を掻き切ることも出来る。
それをしないのは単なる私の、幼稚な小さな報復です。私の涙が流れるとき、それを誰もが気付いてないとき、毎日カウンセラァにお出で、と誘いが掛かるとき、私はやっと死の中の素晴らしい生を見つけることが出来るのです。
死ぬように生きて居たくは無い。
そこに愛が待つ故に。
さくま