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嫌いな食べ物「キュウリ」
兎角人の体、というものは環境に慣れ易く、其れが自分に対して心地良いものであるのならば尚更、其れは自分を形成する細胞一つ一つに浸透し易いものなのです。…と、勝手に考えたりもしている。
この少しの期間で、慣れ過ぎた其の体温だとか、 其の息遣いだとか、 其の指の動かし方、 瞳の色、 声、 唇の柔らかさ。
そういうものが一気に私の目の前から消え失せると、私は寒くて息をすることが困難になる。冷たい空気が肺に入り込んで其れ等を凍らせる。私は両手を伸ばして、初めて本心を声に表して。
寒い、寒い
と声高に叫ぶしか無いのだ。
さくま
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