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嫌いな食べ物「キュウリ」


2004年03月21日(日) 一つの過去話

いつだったか、ある人がこんな話をしてくれたのを覚えている。

戦争の時代には、数多くのUFO発見証言が寄せられるのだということ。
彼女はそれを、UFOではなく、人間がやって来たと思っているということ。
そして人間は、人間でない何かによって飼われているのだということ。

いつだったか、ある人がこんな話をしてくれたのを覚えている。

バイオリズムは一つではなくて無数にあって、一番自分にとって都合の良いものをバイオリズムだと思い込んでいるのだということ。
更に、一番不幸なものをも選びやすいということ。
それは不幸が、人間にとって果てしなく甘いお菓子だからということ。

………。

色々なことを教えてくれたその人はもういない。
私の名前を叫びながら、囁きながら、求めながら、消えたのだそうだ。
病院に行ったがそこに彼女と呼べる精神はいなかった。

私の手元には、彼女から貰った石が幾つか転がったままだ。
それ以上もそれ以下も無い。
たったそれだけだ。
意味も無く、未来も無い、唯の石ころだけがまだ手元にある。
…だがそれだけ。

彼女の部屋には私からの手紙が美しく並べられていた。


さくま