|
|
■■■
■■
■ あふれる思い。番外編。(プロローグ)
書くと言っておきながら、遅いぞ…小室。 今回から、アキラさん編です。告白までをとりあえずは。 もしかしたら、もうちょっと書くかもですが。
「あふれる思い。番外編。(プロローグ)」
「…追って来い!」 そうボクが言ったとき。 キミは、真剣な瞳の中に、心の底から嬉しそうな光を秘めていた。 名人戦一回戦のとき、エレベーターの中での言い合いが、実はボクは楽しかったんだ。キミにはずっと秘密だけど。
それから、いろんな話をした。 打ち終わってからも、検討をしながらも。 ボクの碁会所で打つ約束。 持ちかけたのはボクのほうだ。 内心、断られてもしかたないと思っていたのに、キミは笑顔でOKしてくれた。
その時、思った。
もっと、この笑顔を見たい。
本当は、碁会所で打つ約束を持ちかけようとする前から、思っていたんだ。
キミを、もっと知りたい、と。
思い返してみれば、キミの笑顔なんて、ボクはほとんど見たことが無かったから、だから、きっとこんなに心臓がドキドキしたんだろうって。
…その時は、そう思ったんだ。
いっしょにいると、分かる。 キミはころころとよく表情が変わる。 嬉しそうにニギったと思ったら、すぐに真剣に碁盤を見つめて。 負ければ、悔しさを隠さない。 勝てば、その喜びを素直に表す。 碁会所のほかの皆とも、すぐに打ち解けて、明るく笑い声をたてていたりもする。 ボクと打つのを、楽しみにしていてくれるのが、うれしかった。 キミと打つのが、ボクは何よりの楽しみになっていたから。
そうして、少しずつ、ボク達は近くなった。
碁の話ばかりだったのが、日常会話も交わすようになったころ。 市河さんに言われたんだ。
「アキラ君、進藤君が来るようになってから、なんか変わったわね」
…変わった、だろうか。 何が、と聞くことは、進藤が来たことで途切れてしまって、結局そのままだ。
目の前の椅子に座る進藤は、確かに外見は変わった。 頬のあたりが、すこしすっきりとして。 それに…。 「塔矢?どうしたんだ?」 ボクが何も言わないのを不審に思ったのか、いきなり進藤にのぞきこまれて、その顔の近さにドキッとした。 「顔、赤いぞ?熱あるんじゃないか?」 そう言って、キミはいきなりボクの額に手を当てる。 突然のことで、ボクは固まってしまった。 それが進藤を勘違いさせたのか、熱は無いんだけど、とつぶやくと、進藤は席を立って言った。 「今日は、よそうぜ。オレ、また来るから」 …これもまた、見たことの無い、気遣うような笑顔で、キミが言うから。 平静さを失った心臓の音は、なかなか静まらなかった。
キミが、ボクを変える…変えていく。
予感。確かな、予感。
このキモチは、なんだろう…?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
続く。
始める前に、モノローグっぽく入れてみたかったのです。 意味不明な感じ(爆)。 書きなおししてるかも?どうだろ? 先々の展開に矛盾が出てきたりしたら、書き直ししていると思います。
明日はジャンプよ〜vvvまたキレた感想書いていると思いますが、逃げないでください(滝汗)。
2002年11月17日(日)
|
|
|