こしおれ文々(吉田ぶんしょう)

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2004年05月02日(日) 吉田童話『異文化統一基本法』 その��再生

第3部 再生

平成20年3月

バブル崩壊から13年という月日を経て、
日本は先の見えないトンネルから、ついに脱することとなる。

東証平均株価は2万円台まで回復。
企業の設備投資も増加し、
4.7%だった失業率は、3%台まで回復した。

なにより、国債による借金が大幅に減少。

火の車だった台所事情は、
異例とも言える【経営改善】に成功したのである。



ちょうど3年前施行された『異文化統一基本法』。

この法律によって全国の【方言・なまり】は禁止となり、
国民は政府が認可した言葉のみを使わざるを得なくなった。

大半の人間は、政府が定めた準備期間のなかで、
【標準語】をマスターし、支障ない生活を送ることができた。

しかし、50代後半〜60代、
もちろんそれ以上の高齢の世代で、
政府の示した標準語をマスターすることができたであろうか。

結果は目に見えていた。

全国の高齢者は【言語】を失ったのと同じ状態となり、
公の場で言葉を発することができなくなったのである。

買い物も、電話も、私生活のあらゆることが滞るようになり、
精神的苦痛が増加した高齢世代で、
死亡率が一気に増加した。
特に、身寄りのない独居老人の死亡がその過半数を占めた。

日本は、高齢化社会という先進国が必ず抱える問題を解消し
結果的に、財政の足かせとなっていた介護保険や、
年金にかかる費用を抑えることができたのである。

政府はこのことについて、
【基本法はあくまで異文化の統率を目的としており、
 高齢者死亡率の増加とは一切無関係。事実関係はない。】
とコメントした。


米国ニューヨークタイムズでは、
【日本は一つの法律によって、乳母捨て山を建設する費用を節減した】
と掲載し、
ワシントンポストでは、
【標準語を話せるいまの労働世代が、高齢者となったときは
英語を公用語にするつもりだろうか?】
などと皮肉った。


『異文化統一基本法』施行の本当の目的は
今となっては闇のなかに葬られる形となったが、
同年8月、与党議員が主催した【UNO】パーティーで、
【Draw Two】に対して、
【Skip】や【Reverse】による危機回避ルールを適用していたことが発覚。

平成16年に議員の年金未払いが発覚したときのように、
世間を騒がせることとなる。


『異文化統一基本法』  〜完結〜


管理人:吉田むらさき

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