こしおれ文々(吉田ぶんしょう)
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2004年06月07日(月) |
吉田童話【蛇足】 第一話 手足復活 |
創世期
地球上に存在する生命は現代よりずっと少なかった
そんな時代、 人間をそそのかし、禁断の果実を食べさせた罰で、 手足を失った動物がいた
ヘビである
吉田童話【蛇足】 第一話 手足復活
現代
『あ〜、はいはい もうどうでもいいや』 という神の采配によって、罰則期間は終わり、 再びヘビの手足が復活することとなった
これにより、世界中のヘビの手足が一斉に生え始めた
『ん?なんか胴の下がかゆいなあ』 ヘビは胴の下を掻いてみた
『え?なんか突起物ある!足が生えてきてんじゃないの? マジでー!? あれ?そもそも何を使って掻いたんだ? うぉ〜 知らないうちに手が生えてんじゃん!! 気づかなかったー!!これってどう(胴)なの!? プーップップップ♪』
ヘビにとって手足が生えてきたことは さほど動揺することではなく 慣れない手足でバランスをとる練習をするぐらいであった
唯一、沖縄に生息するハブだけは、 『もうハブ酒の容器に入らないなぁ 具志堅さんに相談しないと・・・』 と、ちょっぴり不安だった
そんなヘビたちの気持ちはつゆ知らず、 ここぞとばかりに動揺する生き物がいた
人間である
『人間が招いた環境破壊が生態系に影響した』 と唱える者
『悪魔が眠りから覚め、人間を滅ぼそうとしている』 と唱える者
『まいったなぁ ハブ酒の容器変えないと』 と唱える沖縄で酒造業を営む具志堅さん(57歳)
そして、各々が各々の理由でヘビを乱獲し始めた
ある者は、環境破壊による影響を研究するためヘビを乱獲した
またある者は、悪魔から身を守るためヘビを乱獲した
具志堅さんだけは新容器開発のため、1匹だけ捕まえた
これにはさすがのヘビもこまり果て、 動物協議会事務局へ相談し、事務手続をおこなった
これによりヘビ乱獲対策を話し合うための 臨時協議会が開催されることとなった。
〜つづく〜
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