こしおれ文々(吉田ぶんしょう)
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2009年05月03日(日) |
出産イエーイ!その1 吉田ベビ子 |
20m先の廊下の突き当たり その右手に分娩室はあった
歴史ある病院 スニーカーで入ることができるその衛生面を少し疑った
『看護婦さんが言っていた【本格的な痛み】とはこのことか』
と後日妻は振り返っていたが 陣痛の間隔が短いにもかかわらず 出口の開き具合とその硬さの点で準備が整わず なかなか先生が呼ばれない・・・
ゆえに産み始めることができずに 陣痛に耐えるしかない妻を見るのがなにより辛かった
硬さに関しては結局薬に頼ることの説明を受け 準備が整うと看護婦さんが電話をかける
少しすると先生が現れ 足早に分娩室に入っていく
始まった・・・
窓の外の風景を見ていたが ほとんどの神経は耳に集中していた
先生の指示 看護婦さんの叱咤激励 助産師さんの応援 そして妻の悲鳴
必死に耳を傾け 分娩室の中の状況を判断する
12時44分 Tシャツでも暑いくらいの真っ昼間に ほかの子より少し高めのキーで赤ちゃんが泣きだした
吉田ベビ子の誕生である
買ったばかりのビデオカメラと 600万画素しかないデジカメを持って まだ呼ばれてもないのに分娩室へ勝手に入ると
そこには小さな赤ちゃんがいた
ベビ子は母親から離され 大きな台の上に乗せられると まずは外観で問題がないかチェックを受ける
手足の指の本数 耳の穴の有無 舌の有無 そしてのどちんこでも見るのだろうか 口に指を入れて中を確認
そのあとすぐに身長、頭の外周、胸囲を測る ちなみに我が娘の初めてのバストは30センチ
事務的な看護婦さんの手つきに ベビ子は一番の泣き声を響かせていた
耐えるのだベビ子 お前が憎くてやっているのではない
ちょっと長くなってきたのでつづく
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