こしおれ文々(吉田ぶんしょう)
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| 2012年03月29日(木) |
吉田サスペンス劇場【夏美】第11話『大学生が殺された日その�ぁ� |
吉田サスペンス劇場【夏美】 第11話『大学生が殺された日その�ぁ�
今月また遠征あるんだけど バイト代が学費で消えちゃったんだよね お願いしてもいいかな・・・10万くらい
『今月3回目だよね さすがに私の貯金もなくなってきたし・・・ 先月だって返すって言ってたけど まだだよね』
来月になればバイト代入るから返せるし なんとかお願いできないかな 先月分もまとめて返せるんだよ〜 ね?だからお願い
『しょうがないな〜・・・わかった。 いつまでに用意すればいいの?』
こうしてまた、 私は彼の甘えに負けてしまう。 本当に返してくれるなんて思ってない きっとまた甘えた声で 彼は返済を先延ばしにするのだろう
性的な欲望を解消させ、 必要なときに必要な分の資金を与える。
彼にとって都合のいい存在
もうそろそろ この関係も終わらせなきゃいけない時期かもしれない。
いまならまだ戻れる。 いまならまだ 誰にもバレずに 私だけの秘密で終わらせることが出来る。
裏切った事実は消すことが出来なくても、 夫に知られずに、子どもを悲しませることなく 彼と出会う前の生活に戻ることが出来る。
そんなことを考えていたある日、 買い物途中の私は偶然見てしまう。
仲良さそうに歩く若いカップル。
女性の方は今どきの高校生。 体格のいい男性の腕に寄り添い 楽しげに会話しながら歩いている。
男性の方は髪は短めで 顔は少し日焼けしていて いかにもいまどきの大学生。
野球部に所属していて 今日は私があげたお金で遠征に行っているはずの男性・・・。
そう。彼だった。
彼は高校生との会話に夢中で、 後をつけられていることにまったく気づかない。
二人はお店に入り 彼女のものと思われる服を買い、 食事をして、 ホテルへ入っていく。
ホテルに入るまでの買い物や食事は 見覚えのある財布から支払われている。
いつも私が手渡したお金を入れるあの財布。
今日だけのことなのか これまで渡したお金が全てこんな使われ方をされてきているのか
どちらにしろ 私が騙されていたことに変わりはなく、 それでも なんの疑いもなく彼に援助していた私にも 当然非があるわけで、 彼が素直に謝ってくれるのであれば、 これまでのことを全てなかったことにして 彼との関係を終わりにすることが出来るのかもしれない。
そう思っていた。
そんなとき私のケータイが1件のメールを受信した。 【夏美さん】からだった。
なんてことない内容だったけど、 私が落ち込んでいるとき、 いいことがあって誰かに教えたいとき、 私の喜怒哀楽の境目に いつも夏美さんはタイミング良く現れ、 そして私の気持ちを共感してくれる。
極端な言い方をすれば 私のことを監視しているのかと思うくらい 彼女はタイミングが良かった。
今日見てしまったこともきっと相談してしまう。 ほかに相談相手のいない私にとってとても大切な人。
それが夏美さんだった。
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