こしおれ文々(吉田ぶんしょう)
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| 2012年04月01日(日) |
吉田サスペンス劇場【夏美】第14話『大学生が殺された日その� 戮里△� |
吉田サスペンス劇場【夏美】 第14話『大学生が殺された日その� 戮里△�
※第8話『大学生が殺された日その� 挌歓�
下着のままだった私は自分の服を着て、 凶器となったバットはもちろん、 自分が触った家のモノから指紋を拭き取り、 布団の上やベッドのまわりにある自分の髪の毛を拾い ティッシュにくるんだ。 最初は動揺していたが髪の毛を拾っている頃には 思った以上に落ち着いている自分がいた。 『大丈夫。私と彼の関係がわかる訳ない。』 自分にそう言い聞かし、 洗面台の鏡でボサボサな髪をクシでとかした。 最後に、彼がゴミ箱に捨てたコンドームを取り出し、 またティッシュにくるんで、 髪の毛をくるんだティッシュとともにバッグに入れた。 私は玄関の扉を開け、外に誰もいないことを確認すると、 彼の部屋から出てエレベーターを使わずに階段で一階まで降りた。
玄関のドアが閉まる音を最後に 大学生の部屋は静まりかえる・・・。
沈黙の時間が過ぎていく・・・。
・・・
・・・
・・・
ギ、ギギギギ・・・・。
鈍い音を立てて扉が開いた。
この家のもう一つの部屋が表れ 中からオレンジ色の西日が差し込む。
となりの部屋の扉を開けた【人間】は 中の様子を確認すると 西日を背中に浴びながら 倒れている大学生にゆっくりと近づく
流れる血をよけながら顔をのぞき込んだそのとき 突然大学生の口が動いた。
『た、たあぅ・・・うぅ・・・・』
空気だけが抜けた聞き取れない言葉であっても それは明らかに助けを求めているに違いなかった。
いまにも飛び出しそうなくらい眼球に力が入り 言葉以上に助けを求めている。 そして血まみれになった手を ふるえながら傍にいる【人間】へと少しずつ伸びていく
『死に損ない。見苦しいんだよ』
【人間】は立ち上がるとハンカチを取り出し 床に転がっていたバットをハンカチ越しに持ち上げた
そして狙いを定めると 一気にバットを振り下ろし大学生の頭に叩きつけた
『あぎぃぅ』
大学生の最後の声か それとも顔面が床に叩きつけられたときの音か
どちらかは不明だが この異音を最後に大学生はピクリともしなくなる。
【人間】はバットを元の位置に戻し ハンカチを畳んでポケットにしまうと 隣の部屋から自分の持ち物であろうバッグを肩にかけ 大学生の部屋から出ていった。
そしてこの部屋はまた静まりかえる
数日後、遺体は発見され 大学生は、【自殺した主婦の手によって殺された】 ・・・ことになった。
主婦の犯行として決定づけた証拠は 髪の毛、指紋、そして大学生の体に付着した体液などなど 【主婦がこの事件に関わってたこと】を 疑う余地のないモノばかりであった。
そんなこの世に2つとない主婦の一部は多数発見されていたが、 主婦が写っている【画像】や【動画】といった媒体は 何一つ発見されておらず、 捜査した警察ではその媒体の存在すら知るよしもなかった。
それともう一つ 大学生が殺された日、 【バッグを肩にかけた人間】が この部屋から出ていったという事実も 沈黙という闇の中へと消し去られた。
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