日記病者

For God so loved the world that He gave His only begotten Son,
that whoever believes in Him should not perish but have everlasting life.
John 3:16




2001年11月30日(金) スゴイ満月、そして通り過ぎた夢。

なんだか真ん丸な満月だわ。
あんなにふにゃっと光ってて、大丈夫なんでしょうか。
十五夜を過ぎても綺麗さを心掛ける月は、天晴れ。

朝日新聞の天声人語を読んでいたら、
先日、文学賞を17歳で獲られた何某さんの『インストール』の記事だった。
17歳、と聞いて、昔抱いていた無茶な夢というか人生計画を思い出した。
当時中学生だったあたしの予定では、高校生の間に文壇デビューすることになっていた。
そんな、無茶な。
……いやいや、無茶ではないのだけれど、何て思い切ったことを企んでいたのだろう。
皮肉なことに、今のあたしは一月に少なくとも一、二話は短い話を書いている。
しかしその何れも、『小説』の本筋から大きく逸脱したものばかり。
今のあたしなりに書ける最善のものを作り出してはいるけれど、
それらは決して『小説』として世の中には認められない。
まぁ早い話が、同人的物語、ですね。
別に元々は『そっちの世界』には興味は無くて、
寧ろ対象はミーハー的なものなのだけれど。
でも内容は同人的。
たまに思い出したように小説は書いているが、
やはりこの世界に嵌る前に比べると、その量は大きく違ってしまっている。

残念なことに昔色々と書いていた詩やら短編やらのストックは、
見事に全部吹っ飛んでしまった。
無謀にして偉大なる無知を抱いたあたしは、
ワープロ用にフォーマットしてあるFDを、なんとPCに突っ込んだのだ。
そりゃあ、文字化けもするでしょうさ。
ああ、青春のささやかな浪費の証は、
IT技術の前で呆気無くDELETEしてしまいましたとさ。

三島由紀夫氏が、16歳にして『花ざかりの森』を認められたと知り、
「それならば、あたしにだって可能性はあるじゃない」
そう考えた、純粋に本の好きな少女は、果たして愚かなだけだろうか?
でも肝心要なマテリアルが無ければ、お話になりませんね。
たまには、『小説』も書かなくちゃ。
そっちの世界に文章力を注ぎ込むのは間違ってるのだわ。
文章磨きには良いけれど、方向を間違えてはいけない。
ちょっとした、自戒です。


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東風 [MAIL]

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