- 2000年02月21日(月) T'sの用語集(「お話しましょ♪」から転載)
★1・T'sの用語集(「お話しましょ♪」から転載)(以下、遊ちゃんからの質問に答えるかたちで)
「Welcome to Jackie's!」のリンクから「用語集」にいくと、正確で詳しい説明があるよ。
できればそちらで再確認した方がいいとは思うけれど、私なりにわかっていることを言えば……
(長いので、何回かに分けて入力することになりました(^^; うわぁ、大仕事に……でも、私にとってもちょうどいいチャンスだわ、そういう「考え方」をはっきりさせるための! ありがとね、遊ちゃん♪)
・TS:Transsexual「トランスセクシャル」;元々は、全体をまとめて言う言葉だったけど、「TG」「TV」との対比から、狭い意味で言われることも多くなった。
ずばり、「身体の性」を「心の性」に(できれば完全に)合わせたい、と思っている人たちのこと。
もちろん、その中にもいろんな人がいて、「元は男だった」とかいう証拠は一切消して「普通の女の子です」と言って生きている人もいます。(実は案外多いらしいけど、何しろ「証拠を消している」ので、見つけようがない;んで、統計もとれてないらしい……)
私みたいに、「身体だけが元に戻れば、後はそのままでいい」って言う人は少ないらしいけど。
だって、「TS」の大きな特徴は、「私は確かに身体は男として生まれ、そのように育てられた。けれども、実はそれは『間違い』で、自分は本来、女として生きなければいけない(いけなかった)」と思っていることだから。周囲からも「確かにあなたは(できるだけ『普通の』)女性だね」って言ってもらわないと、辛いんです。
・TG:Transgender「トランスジェンダー」;自分が「男」だとか「女」だとかいうことに、「違和感」「疑問」を抱いている人たち。
多くは「生まれつきの性が間違い」とまで思っていないけれど、「男は○○でなければイケナイ」とか「女は××してはイケナイ」とか、決められた「性役割」みたいなものにはとても抵抗がある。
だから、「手術して身体を元に戻す」ということまでは考えないけれど、
「おまえは男なんだから、スカートなんかはいちゃダメだ」とか「あなたは女なんだからそういう言葉遣いをしてはいけませんよ」とか言われると、とっても辛い。
もちろん、誰でも「性役割(これのことを『genderジェンダー』っていうんだよね)」を強制されたら窮屈な気のすることは多いけれど、たいていの人は「でも、そうだよな、オレは男だから」とか「やっぱり女だから……」って納得しちゃうことが多いのね。
うーん、この人たちがいちばん幅が広くて、説明もしにくいのかなあ。
*ただ、育てられてくる過程(というか家庭とか)でしつけられた「お前は男!」「あなたは女!」という「常識」はなかなか覆しにくいけど、しっかり自分の心とお話しているうちに、「やっぱり自分の性はこっちじゃなくてあっちだったんだ」と気がつく人も多いようで、初めは「私、『TG』でイイです」みたいな言い方していた人が、いつの間にか「ゼッタイ、手術まで……!!」と拳を固めているケースもよくあるようです。
私も、実を言うと、そんな感じなの(^^;。
*あと、「性(別)(sex)」と「性役割(gender) 」を区別する考え方は、日本人にとっては苦手。
特に「genderって何?」っていう感じがする人は多いんじゃないかなあ。
うーん、一言で簡単に説明すると……
「性(別)(sex) 」:かたち。
「性役割(gender) 」:はたらき。
人間の場合、「かたち」として身体に与えられた「性(別)」の他に、他人との間でのその人の「はたらき」としての「性別」「性役割」がある、という考え方から来ています。
そうだなあ、日本人にとって分かりやすいのは、ちょうど「敬語」みたいなものかな?
あるいは、「立場」とか。
人間関係で初めて決まるでしょ、そういうもの。
(もちろん、決まるための要素はその人の「かたち」で決まっている部分が大半なんだけど)
これは、よく分からなければ、「用語集」とか「EON/W」とかで、詳しく読んでみて!
(そのための「インターネット」だもーん♪)
・TV:Transvestite「トランスヴェスタイト」;「vestite」は「ベストを着る」こと、つまり服装に関してのことなのね。
この人たちについていちばんはっきりしているのは、自分の「性別」について、「間違っている」とか「違和感がある」とか、思っていない、ということ。
その上で、「異性の姿をする」ということが、自分にとって避けられない「趣味」っていうのかなあ、……ちょっと、このぐらい私から「離れてしまう」と、うまく説明できないんだけれど……ごめんなさいm(__)m
もちろん、そうは言ってもいろんな人がいて、「『異性』の姿をすると落ち着く」という人(きっとこの人は「TG寄り」っていうのかな?)もいれば、「『異性』の姿をするとコーフンしちゃう」という人(私は直接お目にかかったことがないけれど、いわゆる「ヘンタイおじさん」かな?……(^^;)もいるそうです。
*ここで「トランス」という言葉をちょっと正確に捉えましょう。……といっても、カンタンですよ(^^)。
「トランス」trans=「越える」「越境する」という意味だ、とはっきり捉えてみてね!
その上で、「MtF」「FtM」という言葉を見てみると……
・「○t×」の真ん中に挟まっている「t」は、前置詞の「to」の略です。「M2F」とか「F2M」とか書くのも、アメリカなんかではアリだそうですが、日本人には「2=to」っていうのはちょっとね〜。
とにかく、この「t」は、片方の性からもう片方へ「越境する」というニュアンスが込められています。
(どちらなのかはっきりしない、或は両方の間を行き来したり中間的なところにいる、あるいはいようとする人は「inter」をつけて呼ばれるようです。「International(国際的)」の「インター」だよっ!!)
で、「TS」にしても「TG」にしても「TV」にしても、「どっちからどっちへ?」ということをはっきりさせるために、「M(ale)男」→「F(emale)女」とか「F」→「M」とかを、そういう記号をつけて表すんですよね。
だから、「MtFTS」って言ったら「男から女に(できれば完全に)変わりたい(もしくは『戻りたい』!)人」のことだし、「FtMTG」って言えば「女の役割や振る舞いに縛られず、男として家庭や社会で振る舞ったり扱われたりしたい人」のことになります。
あ、因みに「FtMTV」っていうのはあんまり聞いたことないですねー。
だって、女性のパンツルック、いちいち「異性の姿」ってとる人はそうたくさんいないでしょ?
江戸時代に女性が裃着けてチョンマゲ結って脇差さしてたら、そりゃ立派に「男装」だと思うけど…… 最近はごくふつーの会社でも、びしっとスーツを着たお姉さんなんかいるよねー。ああいう人、ちょっと憧れちゃうなー……
う〜、疲れたっ。
でも、いい整理になりました。
遊ちゃん、ふみちゃん、参考になりました?
お役に立てたら、私、すっごく嬉しいな♪