原案帳#20(since 1973-) by会津里花
★表紙へ戻る★  ★#22★  ★#26★  ★セクマイ★  ≪前   次≫   ▲目次▲

2000年07月06日(木)

★1・読感・「風と木の詩」(07.23掲載)

04/07/01 編集

私には、ジルベールに似たところがあるのかもしれない。
きっと、小さな頃から女の子だった読者の中にも、自分とジルを重ねて涙してしまう子がいるのだろう。
私は、「同時代」の頃(=雑誌に連載されていた頃)には、ときどきちらっと読みはしたが、どうしても入っていけなかった。
「露骨すぎる!」(私はジルベール、というよりもオーギュに似たことをやっていたのかもしれない。決してブロウやアダムではなかったが… 要するに、あのお話の中に出てきた「年長の嗜虐者」の役をやっているような気がして仕方なかった)
「救いがない!」(だって、ジルは死んじゃうし、オーギュもついに心を開いた姿を見せてくれはしなかったんだもん! あ、でも、連載中を知っているから言える「裏話」:一度だけ、「ジルに心を開いてしまったオーギュ」を書きかけた回があったのですね。ところが、そのとき、竹宮さんはとても調子が悪かったみたいで―なんだか、身を削りながら描いているみたいだった―、その回は確かページが規定の半分ぐらいしかなかったのだった。そうして、その次の回では、なんと、「先月の掲載分はなかったことにして、ここから書き直し…」という、私にしてみれば前代未聞の事件を目の当たりにしてしまった!あれはビックリしたなあ…)
でも、本当の理由は違う。今なら分かる。
私は、あまりにもジルベールに似すぎていたのだった。容姿はともかく(^^;
あんまりそのままだったから、「これのどこがそんなにイイわけ?」と思っていたのだった。
迷えるジルベールの魂が、どうか安らかでありますように―。

この記事のトップへ
ページのトップへ


★表紙へ戻る★  ★#22★  ★#26★  ★セクマイ★  ≪前   次≫   ▲目次▲