原案帳#20(since 1973-) by会津里花
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2001年11月04日(日) Autogynephilia

(実を言うと、約2年半ぶりに「Transsexual Forum Japan(通称TSFJ)」に
書き込みしようとしたけど、やっぱりちょっと怖いから止めたのでした。
ホント、私ってヘンに臆病(-_-;)

以下引用のそのまた引用……

IJT Volume 5
Number 3, July - September 2001

Transgendering, Migrating and Love of Oneself as a Woman: A Contribution to a Sociology of Autogynephilia
Richard Ekins and
Dave King
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Effects of Cross-Sex Hormone Treatment on Emotionality in Transsexuals
Ditte Slabbekoorn, Stephanie H.M. Van Goozen, Louis
J.G. Gooren and Peggy T. Cohen-Kettenis
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Case Report: Autoimmune Hepatitis in a Male-to-Female Transsexual Treated with Conjugated Estrogens
V. Tangpricha, N.H. Afdhal and
S.R. Chipkin
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Mak Nyahs (Male Transsexuals) in Malaysia: The Influence of Culture and Religion on their Identity
Yik Koon Teh
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以上引用のそのまた引用…… 

で、その中の一番目の文章が、「Autogynephilia(AG、日本語への訳語はない?強いて訳せば『自己女性化愛好症』とでも?)」に関するものである、ということを、森下azamiさんが紹介してくれている。

http://www2.realint.com/cgi-bin/tarticles.cgi?hina4130+98

(勝手にリンクしてしまったら怒られてしまうかしら……)
詳しいことは↑のリンクを辿ってもらえれば、と思うけれど、このAGというのはあまり人気のある仮説ではない。
それは、azamiさんもおっしゃっているように、これが一種の「paraphilia(性欲倒錯症)」である、とされるところだ。
本当にそうだったとしても、「男性的な性欲がイヤだ!!」と主張している当事者にとって、言ってみれば
「あなたは自分の性欲(=ファンタジー)で『女になりたい』と思っているのだ」
と決め付けられてしまうことになるのだから、とても認めたい気になれるものではない。
でも、Anne Lawrence, M.D.というアメリカの学者によれば、「自分の性はそれでしっかり説明がつく」と言っている人もいるそうなので、そのあたりは「自由」の違いなのかもしれない。

あと、ハワイ大学のMilton Diamond博士が唱える
「トランスセクシャルはインターセクシャルの一形態といえる」
という説に代表されるような、「TSの起源は器質だ(だから絶対変えようがない)」という主張と対比してみると、AGは「性欲=ファンタジー」という精神的なことがらを原因として捉えているので、とても対照的なのかもしれない。

私自身はいったいどうなんだろう?
「性欲」という言葉に、日本人はどうしてもマイナスイメージを持ちがちだと思うし、恣意的な「趣味」と捉えられたら、
「くだらない趣味に7桁(=百万円台)ものお金をかけるなんて、バカじゃないか」
というような批判も簡単にされてしまうだろうし、イヤといえばイヤだ。

でも、こんなふうにも思う。
たとえば、私の心の中で、自分が女性である、というファンタジーを抱くとする。
それは、決して「男の性欲」なんかじゃなくて、むしろ女性が自分の理想的な姿を思うのと似ているのかもしれないではないか。
たまたま、男の体とかホルモンバランスとかで、そのファンタジーが男性的な性欲に連れて行かれてしまうとしても、その同じ気持ちが女の体であれば正常な女性のファンタジーとどこが違っていただろう、という気がする。
その意味では、「男性の性欲倒錯症」と捉えてしまうのは、ちょっと短絡的な「男女分離主義」(←今考えたネーミングだ。強いて説明すれば、ちょっと原理主義的なほどの「性別男女二元論」とでもいったところか)のようにも思える。

なぜなら、私自身の体が、その感覚が、しっかり証明しているから。
この、自分に対する感情や感覚は、決して「男性的な性欲」なんかじゃない、って。
もしも男性の性欲だったら、女性の体になって満足してしまったら、いったいその後どうやって「満足」を求めるというのか。

なんだか、そうやって考えてみると、「AG説」の真偽はともかくとして、もしも私がそのAGであったとしても、少なくとも「男性の性欲倒錯症」という言葉の「男性の」というところだけは外さなければいけない、と思う。

ふつうの女性のファンタジーだったはずの欲求が、男性の体に閉じ込められて歪んでしまっただけだと思う。
それさえなくて「男性的な性欲は一切感じたこともない」という「(よく『真の』という言葉が冠せられるけど)TS」の人は、それこそ器質的な障害を伴って性自認にも影響があるタイプ、と考えるべきなのかもしれない。

なんだか、それはそれで新たなカテゴライズをもたらしそうで、コワいけど……

うーん……
書式に気をとられて、内容にまで気が回らない。
この書式はやっぱりちょっと、今の私には辛いかも。

あるいは、最近記事が多すぎたから、こういう「書き込みが面倒くさい状況」をわざと作って書き込みの量を減らそう、ということかもしれない。
もちろん、私自身の知らないところで、誰かがそんなことを企んでいるのだ。
誰かって……
それは、私よ。

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