原案帳#20(since 1973-) by会津里花
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2001年11月03日(土) はー、すっきりした(笑)

揉め事、自分の中では「一件落着」。
現実はそんなに甘いもんではなからうけれど……。
(ちょっと事情があってはっきりした書き方ができないけれど、
以下の記事は自分の身辺で起きたある出来事に絡んで
書きたくなっちゃったこと、です)

本当のタイトル↓
「オトコのニオイ」
注1:ヘンケンだらけです。
注2:でも「元オトコ」の立場で「こんなに変わった」というのも実感しているので、
もしかしたら参考になるかも。
注3:性的に露骨なことを書いているので、
いわゆる「18禁」的なものがイヤな人は読まないでください。


前にもちょっと書いたこと。+気をつけないと誤解が生じる。
でも、私がとっても感じること。

オトコには、オトコ自身が絶対気づかない(ことが多い)=オンナだけが気づく(ことになりがちな)、
「ニオイ」
がある。
注4:( )がうざいけど、「誰でもみんな、必ず」という決め付けをしたくないので。
それは、読む人自身も「うざい」だろうけれど気をつけて。
物事を何とか単純化して理解しようとすると、ついつい
「all or nothing(いつでも、どこでも、みんな、絶対〜ある/ない)」
になってしまうのもまた、よくあることなのでは。

私は前に、それを「男性ホルモン」と結びつけて書いた。

また、別の機会に「男はオプション」とも書いた。
書いた頃にはうまい書き方を思いつかなかったけれど、今はそれを
男は、扱いにくいオプション
と言うとニュアンスが伝わりやすいかな、という気がする。

この「男はオプション」という言い方は、ちょっと馴染みの薄い人もいるかも(ここの常連読者さま以外はm(._.)m)
「人間の体は女が基本形」っていう、アレ。
SRY因子だか(最近は違うものも言われてるみたい?)によって精巣が形成され、
そこから男性器が形成されたり、
男性ホルモンの分泌によって全身の表現形が
「男性」と呼ばれる方向に向かう。
でも、それは人間のあり方としては
(っていってもこれ↑が何を意味するのかは言ってる本人も曖昧だけど(-_-;)
「標準」である「女」に対して
男性機能は「オプション」である

というのが、「男はオプション」の基本的な考え方。

で、「扱いにくいオプション」っていうのは、
中でも主に男性ホルモンの機能によって性格とか心の動きとか、
そういうメンタル的なもの(←これも定義は曖昧なまま;スマソ)が、
案外本人が自覚している以上に規定されてしまっていて、
それが女性には理解不能な「攻撃性」とか
TPOを全く弁えない「常時(セックス)ヤラセろ」とかをもたらしていて、
しかも無自覚なのでたちが悪い、というようなことをさす。
注5:「無自覚」ということについて、あとで問題にするので、
反論のある人、ちょっと待ってね(^^;


つい最近まで、私はそういう「男性(性)」に対して物凄い嫌悪感を持っていて、
なんだかことあるごとにここで攻撃しまくっていた。
(ちなみに、そういう「攻撃」が悪い意味で「オトコ」そのものであることには、
本人=私は全く「無自覚」←ちょーバカ(自嘲笑;))

曰「オトコは攻撃的なヤバン人で暴力とセックスしか眼中にない」
↑今見ると、なんちゅー幼稚な決め付け(-_-;

でも、実は「決め付け」って、決め付けてる本人に何か感情的な問題があることが多いのよね。
私は、いろんなことをごっちゃにして「決め付け」していた。
ちゃんと識別できるかな……?
ちょっとやってみますね。

私の「男性性嫌悪」総括(案)
なんじゃそりゃ(-_-;その1↑
1)自分自身の(過去の)「男性性」に対する嫌悪
「オトコはみんな」と言わずに、「私は」って言えよな! って感じ。
私は、追い詰められたような感情に急き立てられて
元パに対して暴力をふるってしまったことがある。
(↑ほんとのこと言うと、
こんなこと書いただけで私のこと嫌いになっちゃう人が
たくさんいるかもしれないから書かないほうがいいんだろうけど)

肉体的な暴力をふるったことは「ない」つもりだったけれど、
後から思い出すと相手=「純女(じゅんめ)」にとっては「暴力でしかない」ようなことを、
私はしていた。
今はわかるけれど、その頃は全く理解していなかった。
無自覚だったのでああするしかなかったけど
---------------------------------
私が言うことをどうしてもわかってくれなかったから、
私はついに耐えかねて彼女を床に組み伏せ、
動けない状態にして、あることないことを怒鳴りつけ続けた!
……これが暴力じゃなきゃ、いったいなんだってえの?!

---------------------------------
無自覚なら許されるというのなら、
たとえば核ミサイルのボタンを「知らないで押す」のも許されるのか。

私は、自分が何かわからない衝動に駆られて、
女性に対して暴力をふるってしまったことを
強く、強く嫌悪する。
いくら反省しても、反省しきれない。
だって、時間は元には戻らないから。
死ぬまで反省し続けろってえの。
死んでからも、反省してていいよ。
この世が終わってしまったとしても、絶対許さない。>自分

言葉による暴力だって、同じこと。
たまたま物理的な力じゃないだけで、相手を抑圧し、服従を強いるような言い方は、
もう立派な「暴力」だ。
それに、男の「声」には、女より肺活量もあるし、声帯周辺の骨格もとても頑丈に発達するので
「吠える」
機能があると思う。
「吠える」のは、どんな動物とも同じ、「攻撃・威嚇」の一形態だ。
それ以外の何でもないし、もう言い逃れはやめろ、っていう感じ。

2)自分が受けた暴力・圧迫に対する嫌悪
「みんな」とは言わないけれど、私自身、他の男性から暴力や暴力的な態度を受けて
強い恐怖に打ちひしがれたことは何度もある。
っていうか、つい最近もそういう話を聞いて
うんざりしたところだ。
(危うく現場に居合わせて間接的な「被害者」になるところだった……
想像するだけでも震えがくるぞ)


たまたま私が高身長(っていっても175cmだけどさ)だから、
自分より背の低い人からだと「暴力」と感じないのか。
……なんて、私は「高身長コンプレックス」があるのでついついヘンなこと言っちゃうけれど、
そんなことあるわけない。
だって、自分より背の低い男から暴力的な扱いを受けてビビりまくったこと、あるもん。
何度も。


女性から強く抑圧された経験ももちろんあるけど(それが元パ、ほかにも少しはあるけど)
それは明らかに男性からの直線的で破壊力の強い「暴力」とは雰囲気の違うものだった。

それで私はいつのまにか
男性性=攻撃性、暴力
という決め付けの公式を頭の中に作ってしまっていたのだった。
そこには「自分」とか「たまたま自分が出会ってしまった人」とかいう識別はなく、
「いつでも誰でもどこでも絶対!!」
だったのだ。……おバカ。

3)男性的な性欲に対する嫌悪
これも本当は「自分」「他人」に分けて書かなくちゃいけないけど、
めんどくさいからまとめて。

はいはい。
私だって、若い頃にはそれこそ何やらわけのわからない衝動に駆られて
「毎日オナニー」してたことだってありますよ。
「それじゃおまえ、やっぱりオトコじゃん」
といわれれば、反論は山ほどあるけどここではめんどくさいから、もうパス。
何とでもとってください。
私の結論は、「それでも私は女だった」。それだけ。

ああ、そうか、「めんどうくさい」じゃ済まされないことが、一つだけ。
私は、自分が衝き動かされる男性的な性欲が、いつもいつも、イヤだった。
まるで、自分に犯されているみたいだった。
陵辱されているみたいだった。
自分自身が、自分自身からの性暴力の「被害者」。
とても歪んだ捉え方だと思うし、こんなの理解できない人が大半だろう。
(もしも「それ、わかる!」という人がいたら、
一度人格について診断を受けたほうがいいかも……
私は受けました;結論まともに聞かせてもらえなかったけど(苦笑;))

っていか、できるだけ理解しないでください。(←むしろ反論歓迎)

そうして、そんな自分と同じような「性衝動」を持っているらしい
他人の「男性的な性欲」も、私は「気持ち悪い」と思っていたのだった。
たまに何かで「比べっこ」だの「飛ばしっこ」だのという話を聞いたことがあるけれど、
私は決してそういうのに加わりたくない、と思ってしまっていた。
(今はたとえ望んでも加わることなんかできない体だけど)
何で自分がレイプされるところ、人に見せなくちゃならないのよ?


で。
これで話が終わりだと、目新しいのは私の「暴力」や「性欲」についてのカムアウトだけで、
人にいっそう嫌われて終わりだけど、
私は人に嫌ってほしくてこんな長文をぐたぐた書いているわけじゃない。
むしろ、こうやって自分の「男性性嫌悪」について、ここまで正直に書くことができるのは、
私自身が
男性性と和解
してもいいのかな、と思うからだ。

私の「男性性との和解」方針(案)
なんじゃそりゃ(-_-;その2↑
注6:あ、でも、勘違いしないでほしいけれど、
だから私は「トランス」を諦めて元の男に戻ります、とかいうことじゃありませんよ!
私は自分の「男性性」という「事故」を、それで引き起こしてしまった過去の暴力とかは別として
「仕方のなかったこと」として受け入れようとしているだけです。
今さら「男に戻る」なんてできるはずないし、
戻れって言うのは死ねっていうのと同じことです、今でも、やっぱり!
私を殺さないでね!>「法律」さん)
注7:(も一つうざいけど、ごちゃごちゃと言い訳。
「男に戻る」ということに対しては、今でもまだびくびくしています、私。
だって、長いこと信じ込んで生きてきたから、全身に染み付いているもん、
おまえはこんな体に生まれてしまったんだから、女になることはできない
っていう思い込み)


和解の鍵、キーワードは、最初のほうに書いた

男は、扱いにくいオプション

という見方、ニュアンス、そんな感じ、だ。
とっても漠然としているけど。
まだ、うまく言葉にならないけど。
「扱いにくい」って言っても、「扱えない」ってわけじゃないでしょ?
私が「男性性嫌悪」とか言って攻撃していたのは、あたかも男性性というものが
「扱いようのない危険物(たとえば核兵器みたいな?!)
だ、という思い込みがあるからだ。
完全廃絶しなければ世界に平和は訪れない、みたいな(笑)

ええっと……
何から書こうかな……

そうそう、唐突だけど、私はNHのお店で働いて、とてもトクしたな、と思うことがある。
それは、「本当のタイトル」として挙げた
「オトコのニオイ」だ。
もちろん、お風呂に入ってないとかいうのは論外にクサいけど、
どうやら昨夜か今朝、ちゃんとお湯を浴びたんだな、というような人でも
「ああ、素敵 『匂の宮』かしら『薫の君』かしら♪♪♪
というような「男の匂い」を発する人が、たまーーーーにいるのだ。

念のため、香水の匂いとかじゃない。
強いて言えば「頭髪の臭い」に近いけれど、決してクサくないのだ。
ぐえええ、って感じの「Mr.アブラギッチ」もいるけれど、
それと似た感じの「男臭さ」なのに、とってもよく整った香りになってしまっている人。

これは、ホルモンバランスが変わって「オトコのニオイ」に敏感になっていた私にとって、
とても大きな発見であり、喜びだった。
(もしくは単なるヘンタイ、とも言うかも(-_-;)

まさか自分で自分の男臭さをコントロールできる人がいるとも思えない、
っていうか、コントロールするタイプのにおいじゃないと思うので(笑)、
(といっても、誓って言うけど、何か「えっち」なニオイのことじゃないからね!!)
そういう人の「香り」っていったいどういうことなのかな、と不思議ですらある。

そうやって、素敵な男の「匂い」を堪能していた私は、ふっと気が付いた。

もしかしたら、匂いだけじゃなくて、男性性に司られるほかのいろんなことも、
こんなふうに「整った状態」にできるのではないか。

たとえば「攻撃性」>良い意味での「積極性」とか。
たとえば「性欲」>「代償」か「昇華」かわかんないけど(by S.Freud)「創造性(想像性でも)」とか。

匂いについては、たぶん無自覚な男が多いのだろうけれど、
「暴力」とか「性欲」とかに対しては無自覚ではいられないだろう。
意識的にコントロールすること
なんとなくじゃなくて、はっきりと「男性性を上手に調整する」、というかたちで自覚的に取り組むこと。
それが、もしかしたら
男を磨く
ということなのかもしれない。
しっかり磨いた男に出会いたいな……♪♪♪♪♪

終わりに
……
なあんだ。
きわめてあったりまえの結論になってしまった。
でも、こうした「宿命」ともいえる「男性だからこそ意識的なコントロールが必要なこと」って、
もしかしたら「母親」からでは教わりにくいのかもしれない。
なぜなら、母親の属する「女性」には、そんなわけのわからない「コントロール」を必要とするような
「オプション」
がないから。
自分の内面的な体験とかでは、決して語れないことだから。
(これだけで終わると、純女さんやFtMから強烈な反論を浴びそうだし、書きながら気になっているので;
女性には「生理」「妊娠・出産」とか、女性特有の体形とか、更には「更年期障害」とか、
「オプション」ともいえる現象がいくらでもある。
でも、たぶん「更年期障害」以外は or それも含めて、そうした「現象」はそれが起きるだけで
「自覚的な対処」を必要とするだろう。
その対処作業や、その前段階の教育で、
「女性性」についての「コントロール」は内面的な部分に届くほど教えられるのでは?
それに比べて「男性性」については、あんがい「放置」されているような気がするのだ。
いろいろな面で、「男性」「女性」は「非対称」の存在だ。
それは、たとえば冗談でしか言われないけど
「男性にも生理休暇を!」という主張がいかにばかげているかを見れば明らかだ。
「生理休暇」って言うのなら、家で1日中オナニーしてるわけ?)


私はここから先はまだ不勉強なので、これ以上は立ち入ることをやめるけれど、
今言ったような場面で
「父親」
の存在が必要なのかもしれない。
ただし、これも念のため言っておくけれど、
「父親」は決して「遺伝子提供者」とか「法律上の配偶者」とかで
自動的に決まるのではないと思う。
しつこいようだけど、「自覚的・意識的」に「父親」またはそういう機能を果たす存在であろうとする、
そういう人でなければならないし、逆に実はそういう人なら誰でもいい。
男である必要すら、ないかもしれない。
「男」という、
扱いにくいオプション
について自覚的・意識的に取り組んでいる人であり、
男の子に「男性性」、もっと言えば「男を磨く」ことを教えようという責任感と意欲がある人なら、誰でもいいのだ。
女性でも。
あるいは、それ以外の性でも。

(私は降りた……っていうか、強制的に降ろされたけどね;これを「未練」という。
ふっ、おバカ……)


……やっぱ、わかりにくかった?
それ以前に、長すぎた?
まあ、これからもちょっとずつ、お勉強していきまーす。m(._.)m

(^^)/~~~

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