---□□草原で独り言□□---

2002年09月29日(日) 愛されているのだと

昨日。
おじいちゃん(祖父なんて気取って書けません/笑)が趣味で作っている
メロンがたくさん取れたというので
とてつもなくお世話になっているピアノの先生にも持っていった。

母さんが運転する車に乗って、おじいちゃんと私、3人でいった。
ピアノの先生の家へ着き、私はドアホンを押した。
母さんとおじいちゃんは車の中で待っていた。
「はい〜、どなた?」
「おはようございます〜」
「あら、○○さん!ええっ!?今日レッスン入ってたかしら!?」
「あ、違います〜。メロンをおすそわけに」
そして先生は慌ててでてきた。
そしてあまりに慌てて先生が出てきたので、母さんも車からでてきた。
それから先生と母さんは、立ち話を5分弱くらいしたが、
やはり内容は「私の進学のこと」。
先生は私を応援する発言をする。
何せお金がかかる道なので
単刀直入に「行かせてあげてください」とかはもちろん言わないけれど、
「私も練習は嫌いだったのですけれどね、
結局今でも続いているっていうことはやっぱり好きだったんですねぇ」
「でもお母さん、好きなことがあることはとてもいいことじゃないですか。」

夜。夕食が終ってTVをみながらだんらんの時間。
母さんがTVを消した。
母さんにはもう話してある。私の学びたいこと、私の一番希望する進路。
私は、それを機に話を切り出した。
「お父さん、話があるのね」
「何」
「私の進路のこと」
それから、私はすべて話した。
音楽を、歌を学びたいこと、続けたいこと、頑張りたいこと。
大学は私立になるということ。
高額な授業費、バイト、・・・。
私が一段落話し終えると、母さんが今度言った。
「お金なんだけど・・・」
母さんは私がもし私立音大に入ったときのことを考えてお金の計算をしてみたらしい。
母さんは、おじいちゃんとおばあちゃんに
「○○(私の名前)が音大にいきたいって言ってる」という話したらしい。
そうしたらおじいちゃんとおばあちゃんが「応援する」と言ってくれたらしい。
きっと農業の規模を少し広げてくれるのだろう・・・。
家系的に言うと私は外孫なのに。

不安が残るお金の問題。
見えない私の才能。
あてがないその後の就職。

なんて険しいんだろう。
私はなんて家族に迷惑をかけるんだろう。
きっと「諦めろ」といわれるだろうと思った。


それなのに父さんは
「何とかなるだろう」
と言って、なんと私の出した答えを許してくたのだ。



中3の頃からずっと無理だ無理だと思って諦めようと決心した夢。
ふとやっぱり、消したはずの夢がまたよみがえってしまったから
思い切って先生に話し出すことからはじめた。
今まで私はこわくて踏み出せなかった。
「もう間に合わない。」
そういわれるのが怖くて私は言い出すことができなかった。
お金の理由を都合よく夢を諦める口実に使おうとしてたんだ。
本当は「お前がいけるはずがない」そう言われるのが嫌で、
先生に音大についての詳しい情報をきこうとしていなかった。
だから去年の今ごろ、「音楽のみちへ行きたい」と言ったとき、
父さんも母さんも「お金がない」という現実で私の気持ちを砕いた。
あれは「本気なのか」と、私にそう問い掛ける言葉だったんだ。
けれど、私は更に追求することをしなかった。
きっとまだどこかで「諦められるだろう」という心があったんだ。
だけど、今。
ブレーキをかけないで全てを言い切った今、
こんなにあっさりと家族が認めてくれるなんて思ってもみなかった。
たくさん問題は残っているのに、「何とかなる」で許してくれるなんて。
それはきっと、
父さんや母さんが私を絶対的に愛してくれているからだ。
そして応援してくれるおじいちゃんやおばあちゃんも、私に注ぎ込んでくれる愛は大きすぎて、私は嬉しいを通り越して感激の涙があふれた。

ずっと運がないと思っていた。
お金がないことを不幸だと思っていた。
なんて傲慢で鈍感な自分だったのか。
今、私はすごく自分が幸せだと思う。
幸せすぎる人間だと思う。

父さん、母さんに愛されている。
おじいちゃん、おばあちゃんは私を可愛がってくれる。
先生達は私をずっと見守っていてくれる。
好いてくれる人たちがいる。
大好きな友達がいる、大好きな人たちがたくさんいる。

私はこんなに愛されていたんだ。


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S.Soraka [MAIL]