ふと今までの日記読み返そうと思って、 目次の範囲が、下から上まで ちょうどあの人と会った頃から別れるまでの期間だった。
付き合っていた時間。 すごく長いようにも、短いようにも思ったけれど そうして見たら、何だかあっという間の夢みたいに感じた。 すごく色んなことがあったし、たくさんのことを知った。 それに、そういえばあの頃から、忙しくなるようになった。いい意味で。 狭い世界に閉じこもっていたけれど、 広い世界に自分を投げ出す勇気をもてたから、 コーラスの会とか、演奏会とか、よく出かけるようになって、 休みの日でも予定が入るようになった。 だから、あっという間に感じるのかな。
読み返したら複雑な気分になった。 ひとつの幸福をつかむためにひたすら頑張ってた。 私は、あの頃の私にあえたなら にこやかに微笑んで「あなたは精一杯生きているね。」 そういって声をかけてあげたい。 その姿はいちばんあなたが輝いてる姿だから、それでいい。 これから何が起こるかは誰にもわからないけれど 精一杯生きる気持ちをずっと忘れないで。
好きだったときの、日記。 あの頃の記憶。 いっそのこと消してしまおうかと思った。 何も無かったかのように、全部消してしまったなら、 どんなにかラクに全て忘れてしまえるだろうね。 全ては夢のなかでの出来事で、 現実には何も無かったなんて錯覚しようものなら、 切なくなったり、苦しくなったりなんてしようがないね。 「え?何も無かったよ?」 そんなふうに思い込めたら、きっと、ラクなんだろうね。
けれど。
何も無かったなんて、思えない。 だって、あったんだもの。 そこには、頑張ってる私があったんだもの。 今ここには、思い出があるんだもの。
未練がましいといわれるかも知れない。 だけど。だけどね。
別れた今、切ない気持ちは確かに大きい。 どうしようもないほど、無気力に大きい。 でも、それと同じくらい 私は感謝の気持ちも大きいから。
あの人は「他に好きな人ができたから」と言って 別れようと言って、私もそれを受け入れた。 実は嘘ついてるんじゃないかと思って、問いただしたけれど、 それは本当に、真実の理由だった。
だけど、私、全然恨んでなんていない。 許せないなんて思っちゃいない。 むしろ、私への後悔のほうがある。 「馬鹿だったな。私」みたいな。
「何も無かった」って忘れたほうがラクな期間のなかに、 私が成長した記憶や、思い出もあるから、 複雑だけど。けれど、忘れようと思わない。 心の整理をしながら、心の糧にして、 切なさや苦しさは少しづつ消化していこうと思う。
すごく私の力になった言葉がある
「忘れていい思い出なんてひとつもない」
今起こってること全て、 それは私を成長させるものだから。
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