私はよく夢に溺れやすい。 ここでいう夢とは、根拠の無い空想のこと。ひとりよがりの無鉄砲な願望のこと。 気付いたら別のことを考えていたり、人の目を忘ていることが多い。 ロマンチストなのか、ただ集中力がないだけなのか。それともミーハーなだけなのか。 行動力がないことを悔やんで、一歩踏み出したいと思ってもいつも中途半端。 跳び箱を飛べない臆病者みたい。走りだして、踏み台から飛び出したというのに、一瞬ひるんで手で前に自分を押し出すことができない。もう飛び出したのなら、あとはやることは一つなのに。勢いで走りだしたのだとしても、勇気をだして腕をのばせば簡単に飛べるのに。もちろん最初から勇気をもって、ここぞという時にも勇気をふるいたたせて行ければ一番いいのだけれど。 夢におぼれてばかり、空想ヲ抱いて、願望ヲ抱いて、目の前の光景すらも自分に都合のよいフィルターをかけて見ている。身勝手なだけの現実を歪曲する、ぼやけたコンタクト。「夢」といっても、それは微妙な言葉のあや。努力と思考と決意のない夢は…願望は、ひとりよがりで幼稚で身勝手で。 私は後悔がすごく恐ろしい。挽回のきかない過ち、誤解のとけない過ち。
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