---□□草原で独り言□□---

2006年11月10日(金) 所変わればたくさん気付く

情けないと痛感して、会わせる顔がない。その気持ちが身に染みてよくわかる。
声楽演奏会に母と祖父母がきた。私のうたを聴くのは一年ぶりになる。私の感覚からすると、去年にくらべればマシに演奏できたものの、やはり納得いくものではなかった。家族たちが終演してから先に帰っていて、私の帰りを待っていた。「会わせる顔がない。言い訳もハッタリもできない。何ていえばいいのかわからない」それが私の正直な気持ち…途方にくれながら、焦りながら家路についた。
やはり家族もなんというのが一番よいのかことばを選んでいる様子だった。
演奏と私の表情をみれば、「今回の出来が良くなかった」ことが嫌でもわかるハズだ。うちの家族は慰めは言わない、お世辞も言わないし、ひいき目もしない。だからと言って音楽に精通しているわけもなく、批判のことばはない。ようするに「ホメ言葉が出ない演奏」は、イコール「期待に添っていない演奏」ということなのだ。
「期待をもって聴かれる」という場面がこれからいくらでも生じてくるのだろう。そういうとき、期待を裏切らない仕事ができてこそプロの演奏家なんだろうな。

また、上記のこととは話がかわりますが、一泊二日で家族が来たということで色々たのしかったり、気付いたこともたくさんありました。
夜、ばあちゃんが布団をはねのけてたのでタオルをかけて「あー、こういう風に家族はいつも私を心配してたのかなー、私まだまだ二十歳すぎたばっかの若造だけど人の心配できるようになったのは大人になったってことかなー」とかボヤーっと思ったり、就職についての話題がでた時じいさんばあさんがあまり口をはさみたがらないこととか、料理店で私も遠慮なくお茶追加ーって言えるようになっちゃったなーとか、祖父母がおこづかいをくれるのはありがたいなーって思ったら「あぁそっか、私も小さい頃とはずいぶんほしいものが変わったんだなぁ。だからおこづかいなんだなぁ。」 とか、じいちゃんは孫の言ったちっさなセリフをよく覚えてるなーとか、時間の流れる速度の感覚が違う分そのセリフも私たち孫側からしたらずっと昔の恥ずかしいくらいアホで無邪気だった過去のものでも昨日のように感じるのかなとか。


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S.Soraka [MAIL]