---□□草原で独り言□□---

2007年02月20日(火) こども

痛みに耐えることになれていたのなら、
傷つくことをおそれない勇気を持てただろうか。
悲しみを自分で慰められたなら、
人に自ら近づけただろうか。

痛みを受けると、少しでも自分を強く見せようと、虚栄をはって。
悲しみを感じると、恥ずかしくなって、逃げたくなって。

私は私が成し遂げたいことを努力してきたつもりだけれど、
それ意外にはなんの自信もない。

人と特別強い絆をたくさん持っているわけではなく、
話し上手なわけでもない。
誰かとちょーばかになって馬鹿騒ぎすることや、
いわゆるノリってやつを何度も経験したわけでもなく。

私はいままで誰かに助けられながら、
そして感謝しながら、美しい心でありたいと願いながら、
ただひとつ自分の夢を実現するためだけに
ただ黙々と努力を重ねてきただけで。
家族や信頼できる人はもちろんいたけれど、
仲間がいた時期や、いない時期もあったけれど、
私は一人でもただ努力を続けると決めていて。
実際、誰かに泣きついた覚えもないし
誰かに慰めようとしてもらったこともない。
ああ、でも受験前は先生にずいぶん甘えていたか。
けれど、それだけだ。
誰か本当に心から愛せる人がいたらいいとは思ったけれど、
私は私を心の支えにしようと思っていた。
私は私の力で夢をつかみたかった。
それが私の支えで、私の聖域で。
誰に立ち入られたこともない、
立ち入らせたこともない、
私が私である証の柱だった。

なのに、
その支えがなくなったら、どうすればいい。
私は私ひとりで努力できる人間になれたのに、
慰めがない静かな世界にいままで生きてきたのに。

いまさら、誰かと生きることをどう学べばいい。
私は私に誇らしくなれたとしても、
だれかに対して誇らしいことをなにか持っているか。

人とのつながりが重要なこの社会で、
人と関わることをおそれる私は、
人にきずつけられることに慣れていない私は、
生まれたてのただのこどもなんだ。
泣いてばかりいる、こどもなんだ。


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S.Soraka [MAIL]