土曜ワイド劇場で『悪魔のような女』が放映されました。 なんとなくタイトルが気になり、2時間じっくりと見ました。 感想としては「よくできたホラー」のひとことです。 映画でなく、2時間ドラマでここまで作りこんだスタッフはかなりの手練だと思いました。
それだけならそれだけと流すのですが、気になってタイトルを検索してみると、原作の『悪魔のような女』というのがハヤカワから出ていました。 さらに詳しく調べてみると、原作は舞台や人のかかわりがけっこう違い、さらに言うならクライマックスも別のものになっているようです。 原作は海外の高校とのことですが、それから考えると2時間ドラマバージョンは日本の色がはっきりと出ているクライマックスだったんですね。
田中芳樹先生の『夏の魔術』にあったの文章で、
『ミステリーは明確な説明が必要だが、ホラーやファンタジーは不条理で終わるのが常である』
ようなことが言っていました。(手元にないので検索不能です。すみません) 最後に殺人鬼がシャワーの向こうに立っていたり、いなくなったはずの幽霊が笑ったりと、わけのわからない怖さで最後を〆るのがホラー映画です。 扉を開けると、ホラー映画の続きが再開される気がする怖さが醍醐味です。
でも、原作は女性心理の動きを主にしたサスペンスらしいので、同じ『悪魔のような女』でも、まったく別のものになってしまっているのが残念だったです。
原作は原作。 リメイクや○○バージョンなら、それを明記して。 そんな風に、ちょっと寂しさを感じてしまうのでした。
注:基本的に原作を読んでから映画を見るタイプの人間なので、原作とのズレが気になるのです。より良くしてある場合や、映画の都合で仕方ないとは思いますけどね。ハリポタとか海猿とか(苦笑)
|