宇宙人がやってきた
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2001年11月28日(水) 療育センター その1

初めて電話をかけて、予約がとれたのは4月。
受付の前には、何組かの親子がいる。
どこも悪くなさそうだけど、
何となく、雰囲気の違う子供たち・・
どうして、自分が、ここにいるのか、わからなかった。
これは、何かの罰なのか・・
ボンヤリ考えているうちに、名前を呼ばれた。

小さな診察室に通され、中には年配の医師がいた。
「何が好きかな・・」そう言いながら出してきた
積み木やパズルを見て、保健所での苦い思い出が、甦る・・。

遊んでいる息子を眺めながら、成育歴や現在の様子
そして、訊ねてきたいくつかの質問は、
何冊も読んだ自閉症の本の中で、見たものばかりだった。
医師は、あてはまるところで、大きくうなずき
あてはまらないところでは、小さく首をかしげた。

「自閉症ですね。遅れも、かなりあります。」

私たちにとって、一生忘れられない言葉を、
いとも簡単に、言ってのけた。

「でも先生、息子は言葉も出ていたし、バイバイとか・・」
「全部、消えたでしょう?」遮るように、医師は言った。
「程度としては、決して軽くないですよ。」
トドメまで、さされた・・・。

帰宅して、自閉症の本を開く。
「あやしても笑わなかった」・・・そんなことない
「抱かれるのを嫌がった」・・・・そんなことない
「睡眠時間が短い、または不規則」・・・いいえ
ほら、どれもあてはまらないじゃない
赤ちゃんの頃の質問は、全部「いいえ」だった。
幼児の項を見る・・ひとつの質問が、私を捉える。

「意味もなく横目で物を見たりする」
・・やる・・子供はみんな、やるのかと思ってた。
「欲しいものがある時は大人の手を使って示す」
・・やる・・喋れないからだと思ってた・・。
やっぱり、やっぱり、コータは“自閉症”なの・・?

「赤ちゃんの頃、できていた事や出ていた言葉が消えるのを
“折れ線型”といい他のタイプより重く、一般的に予後は悪い」

フラフラと、それでも立ち上がろうとしていた私は、マットに崩れ落ちた。
TKO負けか?いや、KO負けだ・・完全に、打ちのめされたのだ・・。


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