宇宙人がやってきた
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2001年11月26日(月) 3歳児健診

3歳児健診の日がやってきた。
その頃になると、コータの遅れは明らかだった。
予診票の欄は、悲しいくらい「いいえ」だらけだった。
それでも、まだ、私は信じていた。
言葉が、少し遅れているだけ。いずれ、追いつく・・と。

その保健婦は、二コリともせずに訊いた。
「お名前は?」・・・ボンヤリとしている、コータ。
「まだ、喋れないので・・」という私に「エッ?」
険しい顔で、バサバサと書類をめくっている。
「なんで、1歳半健診で、引っ掛からなかったんだろ」
聞こえよがしに、そう言うと“居残り”を告げた。

ずいぶん、長い時間待たされた。
別室の、ポツンと置かれた机で、尋問は再開された。

「お名前は?」・・・だから、喋れないって言ってんだろーが・・・
壁のポスターを、ボンヤリ見ている息子。
保健婦は、イライラと質問を繰り返す。「お名前は?」
コータは、保健婦の方を、見もしなかった。

バンバンッと机を叩き「お名前はっ!?」怒鳴る保健婦。
驚いたように、コータは、保健婦の方を見ると
「ゴッ!ゴッ!」そう言いながら、一生懸命に手を合わせ
“ごちそうさま”のジェスチャーをしている。

見かねて「すいません。もうやりたくないようなので・・」と言うと
厳しい顔で「来年、幼稚園を考えていらっしゃるなら、
今年どこか幼児教室にいれないと、追いつけませんよ。
でも、これじゃ、普通の教室はムリかもしれないけど・・。」

「3歳児というのは、知らない場所で、知らない人に対して
テキパキ答えたり、初めてのことが、できなきゃいけないんですか?」
息子の名誉のために、一言でも言ってやりたかった。

「幼稚園は、知らない場所で、先生は、よその人でしょう?
そんなの、言い訳にならないし、さっきの課題は1歳半用ですよ」と保健婦。

なに?なんなの、この失礼な言い方。
課題?さっきのパズルのこと?

「うちでは、いつもできてます。
自分のと違うから、手にとって眺めていただけで・・」
保健婦は、もう私の言うことなど、聞いてはいなかった。
そして、言った。

「自閉症と、知恵遅れだと思われます。
私は、専門家じゃないので、ハッキリとは言えませんけど。」
・・・・・ハッキリ言ってるじゃないのよ・・・・・

こういう保健婦は、残念ながら実在するんですよね・・・。

そして、私たちは、療育センターの存在を知った。


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