宇宙人がやってきた
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2002年03月25日(月) 極小旅行

週末、珍しく夫が下の娘を連れて出かけた。
帰宅は午後になると言う。

家事を片付け一服する。
コータはおとなしくブロックをしていたが
ビデオをかけてくれとねだり、かけてやるとゴキゲンでみている。

本当に手の掛からない子だわ・・とパソコンを開く。
掲示板にレスをつけたり、メールの返事を書いたり・・・
1時間ほど経った。

コータは、相変わらず楽しそうにビデオをみている。

そこに娘がいないだけで、何だかポツンとした部屋。
いつもはオモチャの取り合いで、ギャーギャーうるさい。
大好きなビデオで、ふたりしてゲラゲラ、キャーキャーうるさい。

今日は、コータがひとりでビデオをみている。
隣の部屋で、母親はパソコンをしている。

ふいに、胸がザワザワと波立つ。
こんなのって、良くない。
何か、大切なものをドブに捨てている。

息子のそばに行き
「コータ、ママとお出かけしようか?」ときいてみる。

「オデカケ・・・」
オウム返し、目線はビデオ、私を見ていない・・・。
だが、息子はトコトコとテーブルのそばに行き
置いてある着替えから、自分の靴下を選ぶと私にさしだし
「クッタ・・・」と言いながら膝に乗ってきた。“クッタ”は靴下のこと。

着替えさせると、今度はテレビのリモコンを持ってくる。
「パッチン、ちゅる」
出掛けに、テレビのスイッチを切るのは彼の仕事なのです。

玄関を出て、階段を降りながら、ドキドキする。
この次、この次が問題・・・。

まだ下の子が生まれる前、
「お出かけは、“車”か“ベビーカー”」と決めていたコータ。
今思えば、これこそが「こだわり」というやつだったのでしょう。

歩いて公園に行こうとしたり、散歩に行こうとして
家の前の道路で、しゃがみこんで大泣きする息子になすすべも無かった。
どう宥めようと、叱ろうと、どうにもならなかった。

その後、娘が生まれ、それ以来コータと2人で出かけたことはない。
しかも今日は、車がない。
大丈夫かな・・・。

案の定、駐車場に向かおうとするコータに
「車、乗らないの。歩いて、行こう。」と言うと
素直に手をつないで、家の前の道路を歩き出す。
駅まで、10分少々・・・子供連れなら20分かかるかな・・・
バスに乗ろうか、歩いて行こうか、思いあぐねていると
ふいにコータが早歩きになる。

つんのめるように歩き出し、半べそをかいている。
ダメかな・・・やっぱりダメかな・・・。
「おうちに、帰ろうか?」と言おうとして
怖がっているのは、私の方だと気が付く。
収集がつかなくなる前に・・・と、杖をつこうとしている。

もう少し、頑張ろう。
道路にひっくり返ったら、おんぶして帰ればいい。
娘を連れていない今日の私なら、それができるんだから。

「歩いて、行こうね」
「電車に、乗ろうね」と何度も声をかけながら、歩く。
駅までは、1本道。桜が満開。でも、楽しむ余裕は無い。

家を出て10分ほど歩いたか・・・半分は過ぎた。
手を離す息子。私の前を歩いて行く。
「コーちゃん」
声をかけると振り向き、笑って歩調を緩める息子。
これなら、だいじょうぶ。

桜の花びらだけでなく、花もいっぱい落ちている。
そのひとつを拾い、コータを呼ぶ。
「見て、お花、きれいね。」と渡すと
大真面目な顔で桜を自分の鼻に当てて
「オハナ」と言う。
その「ハナ」じゃないって・・・。

駅に着き、切符を買ってホームに降りる。
「行こう!行こう!」と何度も言う息子に
「電車が来てからね」とこれまた何度も説明する。

夫に電話をかけ、待ち合わせることにした。
娘は、泣いたり騒いだりしていないようで、こっちも安心する。

約束の場所までは、シーサイドラインという
モノレールのような電車に乗って行く。

最寄り駅から乗った「通勤電車」は喜んだがシーサイドラインの座席では、
落ち着かない様子で私の手を握ったまま、不安そう。

ドリームランドで、キッズコースターに乗ったときも、こんな顔だった。
1番前の車両に乗ったので、見晴らしがいい。無人電車なのです。
靴を脱がせ、窓の方を向いて座ってもいいよ、と言ったが
最初に座ったままの格好で、窓の外をみている。

10分、15分くらい乗ったか・・(憶えてない)
目的の駅につき、電車を降りると元気になるコータ。
待ち合わせ場所は、すぐ目の前。

「パパとリーちゃんのとこに、行こうね。」
声をかけると、ニコニコと早歩きになった。
ヒョコヒョコと、私の少し前を「欽ちゃん歩き」する息子をみながら思う。

君が歩いていくその先が、少しでも、明るく温かいものだといいのに・・・と。

私たちを待ちながら、食事をしていた夫と娘。
その店は、その日たまたまバイキングをしていたそうだ。
たらふく食べたあと、デザートの果物を5回もおかわりしたリスケ。
特に、「メロンの鬼」と化したそうで・・・よかった・・・別々で。

ちゃんと歩けず、すぐに脱線してしまい
あっちへフラフラ〜、こっちへフラフラ〜・・・。
駐車場から部屋まで5分足らずの道のりを、20分以上かける。

コースから外れると、コータがそばに行き
「行こう!行こう!」と怒るが、知ったこっちゃないリスケ。
でもって、コータもいっしょになって小石を拾ったりなんかして
すぐに「ミイラ取りがミイラ」になったりなんかする。

リスケが違う方へ行こうとすると、回り込んで「行こう!行こう!」
押したり、突き飛ばしたりはしないが、「手をつないで」もできない。
ひたすら回り込んで、最後はリスケを家への階段まで連れてくる。
まるで「牧羊犬」のようだが、結構助かったりなんかして・・・。

その晩は、8時前には寝てしまったので疲れたのでしょう。
今まで、ほったらかしになってた電車のおもちゃ。
今日はそれを出してきて
「でんしゃ、でんしゃ、ガタンゴトン〜」と言いながら遊んで
握ったまま、さっき眠ってしまいました。

ちょっとだけ、頑張った甲斐があったかな。
また、2人でお出かけしようね・・・。




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