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■ 邪な想い。
あやうく、口走ってしまうところだった。
「私と付き合っちゃいませんか?」
アタマの中で想像するだけにとどめておいたけど。
先週の金曜、前店長も含めてバイト仲間と飲み会だった。 でも、私は決して強くはない。むしろ弱いほう。 生中1杯で、腕まで真っ赤。 思考回路はいたって正常だと思っているけど。 ……思ってただけなのかなぁ。 よくよく考えたら、マトモに飲んだの2杯程度?
それなのに。
男性陣にからみまくり。 その中でも、いちばんの被害者。 背もたれ代わりにされたり 頭、ぐしゃぐしゃにされたり 抱きつかれたり、逆セクハラされたり。 (その節はご迷惑おかけしました……)
でもね、あったかかったの。 いま、他人の体温に飢えてるから。 頭撫でてくれてうれしかった。 おっきい手でぽんぽんって。 何度も何度も。 それがすごく嬉しくて、ずっとくっついてた。 店をでてからも、抱きついてた。
酔ってる振りをして。
帰る方向は、反対なのに。 一度くっついてしまったら離れられなくて。 終電の時間を忘れてしまうところだった。
翌々日、シフトが2時間弱かぶってて 私は勝手に気まずかった。
それでもよっぽど弱ってたみたいだ。 2行目の台詞を、頭ん中で何度も何度も呟いてた。
私のあがりと、彼の休憩が一緒で 事務所に2人きりの時間がもう少し長ければ……
とは思うけど、結局は言わなかっただろうなぁ。
一応、スタッフのなかでは彼氏がいることになってるし。 そして彼は、私のタイプでもなければ、「好き」なわけでもない。 ただ、「他人の温度」が欲しいだけ。
ただ、それだけ。
でもあんなに楽しく酔えたのなんて、久しぶり。
2004年07月22日(木)
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