水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2001年12月20日(木) 乃南アサ著『ハイビスカスの森』

乃南アサさんの短編集『悪魔の羽根』は、日本の四季がモチーフになっています。
『はなの便り』は春、『はびこる思い出』は梅雨、そして今日の『ハイビスカス
の森』は夏の物語です。

恵一と萌木(もえぎ)は恋人関係です。結婚の話を早くすすめたい恵一は、萌木
の親友に頼んで、彼女に代わって萌木と沖縄旅行に行きます。
目的地は、慶良間(けらま)諸島、座間味(ざまみ)の海。
羽田で顔を合わせた時の不機嫌さを忘れ海ではしゃぐ萌木に、恵一はやるせない
気持ちになります。
ペンションにいっしょに泊まっていながら、萌木から、嫌らしいことをするなと
言われているんです。

んー・・、萌木の気持ちがイマイチ、わかりません。恵一はつらそう・・

三泊して帰るはずが、台風の急な接近で船は欠航し、島は孤立状態に。
仕事を心配する萌木は恵一にあたり、とうきび畑でとうとう大ゲンカをしてしま
います。激しい風雨の中、ペンションに戻った恵一は、萌木が戻ってないことを
知り、雨の中へ・・

この物語、前半が退屈で、読むのをやめようかと思ったのですが、まぁ、もう
少しもう少しと、なんとか読みました。短編の強みですね。
後半は、急に話が重くなります。萌木がオトコ嫌いな理由も解き明かされていく
のですが・・

うーん、これ、わたし的には、つかみどころがなくて、楽しめませんでした。
挫折本のカテゴリーには入れたくないので(乃南さんのファンだもん♪)、
読み終えることを目指した感じです。はふぅ・・ため息。。

解説では、と後を見たら、文芸評論家のおなぎ治宣(はるのぶ)さんは、この
作品については、なんと一行しか述べていらっしゃいません。
「『ハイビスカスの森』では台風を怖がる恋人の深層心理を主人公が解き明かす」
こ、これは、もしや、解説しづらかったのだろうか・・?

乃南アサ著『悪魔の羽根』(幻冬舎文庫)に収録の『ハイビスカスの森』は
38ページ。読み終えて、ため息の16分。
いつもいつも、面白いとは限らないですね。あ、わたし的に面白くなかっただけ
ですから、ぜひ、読んでみて下さい。

いっそのこと、慶良間諸島のガイドブックテイストで話を展開した方が
引き込まれたかもしれないです。

こんな日もあるさー♪ ← 常に前向きな水野です 笑











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