水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
スルスル読めました。『鑑』は、鑑定や鑑識で使われるところの、鑑です。 事件の被害者と犯人を結びつけるもの、という意味でタイトルになったようです。
ホテルで殺された女性の捜査線上に、ダストハンティングが趣味の男が浮かび 上がります。が、・・。 ダストハンティング、なんて、カタカナにすると一瞬何のことかと思いますよね。 ごみを拾ってくることなんです。えええっっ!・・何、何?でしょ。 イヤですよね。人のごみ袋を集積所から持っていくなんて!! そして、ごみを自分の部屋でひろげて眺めて、生活を想像するんです! りんごの皮を見て、うすくむいているからあの子は器用な子や、とか!!
≪許せませんっ!≫
取調べ室の犯人と刑事のやりとりが、たたみ込むようにラストに持っていきます。 一気につきすすむ感じでいいですー。
黒川博行著『鑑』は『カウント・プラン』(文春文庫)に収録。44ページ。 昨日の『うろこ落とし』とは逆に、とても読みやすかった16分。 面白かったです。この短編集の中で1番良かったと思います。
『カウント・プラン』を読み終えて、ひとこと・・この刑事さん達、頼もしい!
黒川博行さんは1949年生まれ。 高校で美術教師をしていたとき、'86年に『キャッツアイころがった』で サントリーミステリー大賞を受賞、デビュー。'96年に『カウント・プラン』で 日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞。直木賞の候補に上がること4回。
新犯罪ミステリの五日間は、暗い気持ちに・・。 せつない物語を渇望している自分に気づいた今夜。 明日は・・せつない系に行きましょうか・・。 じゃ、また明日!
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