水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2002年03月01日(金) 加納朋子著『掌の中の小鳥』 1

加納朋子の『魔法飛行』と『ななつのこ』を読んで、ほんわかしたミステリの
魅力を知りました。あん〜、これが読書の楽しみなんですねー♪

5年くらい前に、向井敏の『贅沢な読書』(講談社現代新書)を読んだとき、
確か、ジャンルのめがねを通して本を読むことから自由になったときに、「贅沢
な読者」として「贅沢な読書」を楽しむことができるようになるとありました。
そのときは、そっか〜と、漠然と受けとめていたのですが、なんとなく、その
意味するところがわかったような気がします。

『掌の中の小鳥』も、短編が連なる長編です。五つあるお話の最初は、本の
タイトルにもなっている『掌の中の小鳥』。

大学時代、「僕」はアートクラブの容子に密かな想いを寄せていた。しかし、
先輩、佐々木が容子とつきあい始める。絵に没頭する容子と、彼女の才能を
理解する「僕」、そして佐々木。そんなとき、容子がコンテストに出品するため
描いた絵が汚される事件が! 四年ぶりに雑踏の中で偶然に再会した「僕」と
佐々木先輩は・・。

なんだかせつないお話ですねー。
ミステリというより、せつない恋の物語のようです。

「掌の中の小鳥」というのは、この本全般のテーマでしょうか。
賢者と子どもの問答です。人生を言い当てているような深い意味を感じます。
どんな問答かは、ぜひ、読んでみてください。

明日は、第二話『桜月夜』へ。

桜の便りが待ち遠しいですね。

   じゃ、また明日。






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