水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2002年03月30日(土) 山川健一著『アーリー・タックルと食後の熱い紅茶』

「アーリー・タックル」って知ってます? 初めて知ったんですが、ラグビー
用語です。相手がボールをつかむ前にタックルすることで、もちろん反則です。
その場でペナルティが科されるそうです。と、まずはタイトルを解説して・・。

タックルしたのは「ぼく」、相手は友人の下村です。そして、ボールにあたる
のが可代子なんですが、、、おおっと! 状況が見えるようです。 
店でぼくと下村がお酒を飲んでいた時、ぼくは入口に立った可代子を一目見た
瞬間、彼女に恋をしてしまうんです。これ、一目惚れと同じですか? ですよね。

うーむ、「アーリー・タックル」とは! おしゃれな言い方ですね〜♪
これからは、一目惚れをアーリー・タックルに変換したいですぅー!
(この歌にアーリー・タックルよ、とかネ。わかってもらえなさそうだけど。)

小説家をめざすぼくと下村。二人は共同生活をしながら、お互いの作品をけなし
合ったり、アドバイスをし合ったり・・そこに可代子が現れた時、傷ついていく
のは、ペナルティだったのかもしれません。

別れの日、出会った店で食事をするぼくと可代子は、恋人以上に恋人のように
寄り添い、お互いを思いやります。可代子が去ったあと、ぼくの胸を走るもの
は、せつないですねー。

下村とぼくと可代子の関係が込み入ったものなのですが、さらりと仕上がって
いるのは、ラグビーシーンが効果的だからでしょう。

『贅沢な失恋』(角川文庫)第五話、『アーリー・タックルと熱い紅茶』、
良かったです。

じゃ、また明日!






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