水野の図書室
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2002年05月12日(日) 夢枕獏著『安義橋の鬼、人をくらふ語』

今は昔、と語るのは、今昔物語。
このお話、「今昔物語」の翻案ですか? 近江の国の安義橋に鬼がでて・・は、
「今昔物語」の有名な説話です。
ホラーアンソロジー「七つの怖い扉」(新潮文庫)の六つ目のお話で、平安時代
に飛んできました。

場所は、近江の国。国守(かみ)の館での宴会で怖い話がでます。
安義橋に鬼がでて人をくらふ・・。怖い怖いと皆が騒ぐ中、怖くないと言った
ために、じゃあ、行ってみろと言われ、男は安義橋に向かいますが……。


うーん、予想通りの展開で、あまり楽しめません。
鬼って、昔は怖かったんでしょうが……。
流れるような“ございます”文体が、心地いいです。


内容より、書き出しの二行がツボにはまりまして、そうそう、そうなのよね、
と、今も昔も変わらない人間関係のストレスのひとつを改めて考えました。

いやはや、思いがけない読後感です。


明日は最後のお話ですねー。小池真理子さんの『康平の背中』。
小池さんの艶やかな文章で、どんな恐怖が待っているのでしょうか。

じゃ、また明日。




水野はるか |MAIL
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