水野の図書室
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2002年05月15日(水) 小池真理子著『命日』

ずっしりしたタイトルですね。精神の集中を求める二文字です。
割と緊張感を持って読み始めたのですが、怖さが曖昧でした。
小池真理子さんお得意の、恋愛の匂いを漂わせてほしかったです。

お話は、新聞記事に、昔、住んでいた地名を見つけたことから廻りだします。
父親の転勤で、東京から仙台へ引っ越した一家。郊外のはずれに建つ借家は、
庭つきでテラスがあるコテージのような家で、家族みんなが喜びますが、大家
の奥さんは何かを隠していて……。


建物の怪談話としては、ちょっと期待はずれのような物足りなさが残りました
が、母とわたしの関係がとても優しく描かれていて、ほろりとしました。

『命日』は「かなわぬ想い」(角川ホラー文庫)の二つ目のお話。
小池真理子さんなら、やはり、恋愛モードホラーを読みたいです。


おととい読んだ「七つの怖い扉」(新潮文庫)に収録の『康平の背中』は、
ものすごく怖かったですー! あ、小池さんの作品で、大家さんが登場する
ホラーを今年の1月に読みました。えっと・・『生きがい』(「ゆがんだ闇」
角川ホラー文庫)です。『生きがい』は、大家さんが怖いです。

次のお話は『誕生』、篠田節子さんです。命日、誕生、とつながりますねー。

P.S.
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水野はるか |MAIL
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