水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2002年05月16日(木) 篠田節子著『誕生』

ホラーアンソロジー「かなわぬ想い」(角川ホラー文庫)の三つ目のお話です。

国際会議のプロモート会社で責任ある仕事を任されている直子は、灼熱の痛み
の中で「何か」を産み落とします。夫は海外赴任中で、妊娠は考えられず……。

この「何か」というのが、何だかまったくわからず、不気味です。
過去の流産による精神的後遺症を匂わせたり、夫の不倫が突然発覚したり、
お祓いの霊能者が登場したり、、、、何が何やら……。

ピントをどこに合わせたらいいのかわからないまま、「何か」は動き出し、見え
ない不安が怖さをどんどん膨らませていきます。

うーむ、「何が何やらホラー」と命名させてもらいます。
それは、妄想なのか、何なのか、ぜひぜひ読んでみて下さい。


篠田節子さんといえば、今年の1月に読んだ『子羊』(「ゆがんだ闇」・角川
ホラー文庫)が面白かったです。SF的な作品で、ある施設に集められている
「神の子」たちのお話です。


明日は、服部まゆみさんの『雛』。難しい漢字ですねー。
じゃ、また明日!




水野はるか |MAIL
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