水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
| 2002年11月11日(月) |
森瑤子『マンション・ダ・モール』 |
非日常的な恋愛小説なら森瑤子ワールド、おすすめです(少々、濃厚ですが)。 運命的な男と女、なぜかゴージャスな暮らし、洒落た会話、風のような出会いと 別れ──「ヴァカンス」という、日本人には永遠に無縁なように思える言葉をこ れほど自然に使えるなんて、本当に森瑤子は特別、稀な作家だったんですね。
そして、主人公の女は自信にあふれ、輝いています。 今年4月に読んだ『東京ステーションホテル』の明子、『わたしの大事な人だから』 の美也子には、その堂々としたやり方にこっちの心臓がバクバクしましたが、今日 読んだ『マンション・ダ・モール』のマリコには、もお!圧倒されました。
ヴァカンスで妻子が留守の間、仕事でパリに残ったジャンの家に雇われたマリコ。 メイドの仕事は、料理と掃除と……。ストレートにぶつかっていくマリコと、心に 傷をもつジャンのひと夏は、愛し合っても愛ではなく、恋しいともどこか違う、 互いに満たされない場所を見つけるための時間だったのかもしれません。
「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)第八話は、ほろにがく・・。
せつなさ:☆☆☆☆☆
女の鎖骨のところのくぼみが性的魅力になるって、渡辺淳一も書いてましたね。 クラビクラ・・でした?
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