水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
| 2002年11月12日(火) |
山田詠美『唇から蝶』 |
!わおぉ・・昨日に続いて、また非日常的恋愛小説でした。 目の前を通り過ぎた女の肉感的な唇に惹かれて、あとをつけた男。振り返った 彼女の「変質者なの?」という問いかけに、男はいきなり結婚を申し込み── ここまでは、ありそうです。実際、似たような話を聞いたことがありますから。 ですが、結婚してわかったのは、妻の唇は青虫だった、って・・そ、そ、そんな!! 夫の唇が青虫、よりはマシだけど、、う〜ん、いやーん。。やっぱり、夫は昆虫に 詳しくて、子供時代はファーブルに憧れ、博物学者志望だった・・とかなら、 いいなぁー。笑
そこで、この青虫の唇をもつ妻と「ぼく」の奇妙な結婚生活が綴られていくんです が、山田詠美の文章力の為せる技ですね・・なぜか、ぜんぜん気持ち悪くならな いんです。そして、いろいろ考えさせられます。わたしが山田詠美のファンなのは、 こんなふうに、考えるきっかけをバーンと見せてくれるからかなと思います。
「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)第九話は、せ・つ・な・い。
せつなさ:☆☆☆☆☆☆☆ サブタイトル、“Butterfly Was Born”の方が好き。
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