水野の図書室
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2002年11月14日(木) トルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』

書き出しで知る悲しい結末・・わたしの好きなスタイルです。
「ぼく」が語る、ある少女のお話・・一年前、この町に来たミス・ボビットは
10歳。普通の子どもらしさはまるでなく、お化粧をしてレディのように振る舞
います。町中の子どもたちも大人たちも、彼女が気になり──。

ミス・ボビットが10歳にして自分の魅力を知っていることに、大人たちは眉を
ひそめたりするんですが、子どもは純粋無垢なものというのは、大人の勝手
な思い込みで、「悪口って一種のお世辞なのよ」と軽く流せるミス・ボビット、
十分魅力的ですー!そして、困惑する大人たち以上に、彼女は大人であり、
大人と子どもの違いって何だろうと、その境界線を探したくなりました。

子どものような大人、大人になれない大人、大人になりたくない大人サイズ
の子どもばかりの世の中のようで・・。

「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)第十一話は、寂しい・・。
訳は川本三郎。
せつなさ:☆☆☆☆☆☆
カポーティといえば、『ティファニーで朝食を』。読んだことありますか?


水野はるか |MAIL
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