水野の図書室
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2002年12月17日(火) 坂東眞砂子『盛夏の毒』

短編なんですが、長編を読んだあとのような感覚が残りました。

土着伝奇ホラーの名手だけあって、今回も、何、それ?というものが登場します。
それは、ハメ、毒蛇の一種だそうです。耳慣れないものが出てくると、怖いもの
見たさにドンドン先へ先へと気持ちが急いて、一気に読んでしまいます。

一気に読んだのは、ハメのせいだけじゃありません。巧みな心理描写、男と女が
睦みあう凄さにドキドキ・・官能的とか、激しいとかいうより、凄い!のです。

妻に疑惑を持った夫がやったことは・・、こ、怖いです。
その後の妻と夫の日常は・・裏から(どこから?)見ると、怖いですねー。。
妻の不貞を疑う夫の話は、今までいろいろ読んできましたが、これは別格という感
じです。これほど強烈な作品は、忘れられないでしょう。

「小説すばる」15年、157冊から精選、と帯にするだけのことはありそうです。
「短編復活」(集英社文庫)、お買い得みたいです。




水野はるか |MAIL
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