水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
| 2003年01月24日(金) |
五代ゆう『十環子姫の首』 |
も〜、、トロリトロトロとしたなめらかな文章にうっとりでございます。 五代ゆうと申せば、'91年に『はじまりの骨の物語』で富士見ファンタジア長編 小説大賞を受賞後、富士見ファンタジア文庫に居を構え、富士見ファンには 知らぬもののない作家のおひとりと高く噂は響いていたのを耳にしたことが ございます。
それはそれは美しい姫の首(顔のことね)を愛する若君のお話。 考えようによりましては、重々しく苦しい状況なれど、妖しく儚く美しい情景へと 瞳の先が結ばれてゆくのでございます。身体のない姫の代わりに、若君が衣の袖に 手を通し、その黒髪を慈しみ撫でるさまなど、恐怖のような浮世の感慨をぬけ、 ただただ、姫と若君のこの世のものとは思えぬ御姿に何かが研ぎ澄まされてゆく ようでございました。
角川ホラー文庫「十の恐怖」に収録。 では、また明日(みょうにち、って読んでネ☆)
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