水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2003年04月03日(木) 夏樹静子『あのひとの髪』

先月から読んでいる「乗り遅れた女」(新潮文庫)の最後の作品になりました。
どんどん暗い気持ちになっていくお話が続いたので、最後くらいは明るいかと思っ
たのですが、やはり、ドンヨリ。

『あのひとの髪』─ 夫の通夜の席に、夫の愛人だという女が来て、遺髪がほしいと
言い出します。
自分は妊娠している、お腹の子は遺産を相続する権利がある、親子関係をDNA鑑定で
証明したいから亡くなったひとの髪の毛を毛根をつけて2、3本……。

ドキドキして、先を読むのが怖くて怖くて、、これって、重いテーマですね。
夫の髪の毛を渡して、親子だと証明されたら、夫を信頼していた気持ちを裏切られ
ることになるし、夫ではなく第三者の髪の毛を渡したら、夫を信頼していないとい
うことになります。
うーん、難しいです。すぐに返事はできないですよ。でも、荼毘にふされてからで
は間にあわない。
どーします? あなたなら。

そこで、妻が選んだのは──。
ぜひ読んでみて下さい。
ラストで愕然、愛人のずうずうしさはあんまりですよ!


水野はるか |MAIL
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