水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
風薫る五月、爽やかな季節ですね〜。今日もいいお天気でした。 このところスローリードで、更新ものんびりです。 先月末から、恩田陸の「象と耳鳴り」(祥伝社文庫)を読んでいるんですが、 恩田陸は、雰囲気を活字にするのが巧いなぁと思います。 今日は三番目のお話、『給水塔』。
関根は、散歩仲間の時枝満から『人喰い給水塔』と噂される給水塔に案内 されます。妖気漂うような古い給水塔の周辺では、不可解な事故や事件が 起きているというのです。時枝の話から、関根は、給水塔に何か犯罪が隠 されていると推理するのですが……。
給水塔の不気味さがじわじわ立ち昇って、もぉ〜ゾクゾクしてきます。 『曜変天目の夜』『新・ D坂の殺人事件』同様、ラストが曖昧ですっきりしま せん。んー、モワモワしたまま・・はっきりした答えが欲しい! でも、犯人の告白みたいなのがないからこそ、この雰囲気が楽しめるんで すよね〜。
わたしにとって、「塔」には誰かが幽閉されている図が浮かびます。 子どもの頃読んだ童話にあったんです。塔に閉じ込められた姫のお話。 その時、塔=怖い、と刷り込まれたのかもしれません。
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