水野の図書室
Diary目次過去を読む未来を読む
皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2003年05月07日(水) 恩田陸『象と耳鳴り』

あっという間にゴールデンウィークも終わり、立夏も過ぎ・・まだ、文庫一冊読み
終わらないのもどうかと思います。ハイ。今月は、も少しきちんと更新したいと思
っております。最近、「本多孝好」の検索からおいでくださる方が急増で、戸惑い
つつも正直言って、嬉しいです♪ありがとうございます。

四話目で「象と耳鳴り」(祥伝社文庫)の表題作。これも不思議な世界です。
元判事の関根は、ある喫茶店で、見知らぬ上品な老婦人から子どもの頃に起きた
奇怪な事件の話を聞きます。それは、イギリスで象が人を殺すのを見たというもの
でした。そのせいで、老婦人は象を見ると耳鳴りがすると言うのですが、関根はそ
の話に隠されているものを知り……。

この作品は、2000年版本格ミステリ・ベスト10で第5位だったそうですが、本格
に、長さは問題じゃないって、よくわかります。
すっごく短いんです。わずか10ページ! で、ミステリですよ〜。笑
それも奥が深くて、遠くは霞んで見えないような・・。

象が意味するものを考えると、時間が許す限り自分の記憶を辿りたくなります。
自分に都合のいいようにねじれた記憶もあるかと思うと、怖いですね。
記憶を書き足したり、書き換えたりしながら、精神のバランスをとっているのかも
しれないです。時には、無意識に削除した記憶もあるのかな・・。


水野はるか |MAIL
Myエンピツ追加

My追加