水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
| 2003年05月29日(木) |
永井するみ『洗足の家』 |
ヒェ〜〜、こ、こんなラストが待っていたとは!幸せそうに見える人にもいろいろ 事情がある・・そんなこと考えました。
交通事故で亡くなった母に代わり、自分を育ててくれた伯母を、火事になった家か ら助け出した女性。伯母の証言から、足の悪い伯母の世話に疲れた伯父が家に火 を放ち、心中を図ったものと思われたのですが──。
近所の人からは、仲睦まじい理想の夫婦のように見られていた伯母夫婦の実像が 徐々に見えてくる度に、ひんやり感も少しずつ上昇していきました。 んー、この感覚・・!そうそう、、作者『瑠璃光寺』のひんやり感です。 『瑠璃光寺』は、'95年創元推理短編賞の最終候補作品で、ひんやり、ぞくっときます。 何より、あの書き出し、印象的でした。(2002.03.09記)『洗足の家』の淡々とし た書き出しの中に、何か隠れている感じもいいですね〜。1ページ目に「何故」とい う活字を見ると、頭と心はミステリ対応の体制になるんです。
ひんやり、ぞくっとひんぞくの家、じゃなくて『洗足の家』、濃くて良かったです☆
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