水野の図書室
Diary目次過去を読む未来を読む
皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2003年06月06日(金) 川上弘美『物語が、始まる』

わ!中公文庫、字が大きい!昨日まで読んでいたハルキ文庫の字が小さかっ
たので、すっごく大きく見えます。この紙色も OK!で、川上弘美は読みやすい。
スンスル読めるのは、漢字が少なめだからか、(昨日読んだ篠田節子は、漢字
が多いんです〜)文章が簡潔だからか、描写が巧いからか、吸い込まれていく
ように、物語の中で、心はフニャフニュ自由に飛びまわりました。

9日間、ミステリを味わった後に選んだのが、川上弘美の「物語が、始まる」
(中公文庫)。幻想的なお話が四つ納められた短編集です。嬉しいことに、まず
表題作の『物語が、始まる』─ 素敵なタイトルです〜〜♪あぁ、読む前から
やられてますっ。(ハイ、タイトルに惹かれて本を買うタイプのようで・・)

ある日、公園で男の雛形(アシモくんみたいな物?)を拾った女。雛形に絵本を
読み聞かせているうちに、雛形は本を読むようになり、しゃべりだし──。

んー、、、、純愛と見る人もいそうですが・・純愛とはちょっと違うような・・。
雛形にとって女は、自分を見守り育ててくれた母親にも思えるんですね。
心から愛し合っていても身体は愛し合えないのは、やはりせつないです。
別れをきちんと迎える二人には胸が詰ります。そして、物語りが始まるのです。


水野はるか |MAIL
Myエンピツ追加

My追加