水野の図書室
Diary目次過去を読む未来を読む
皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2003年06月05日(木) 篠田節子『秋草』

「らせん階段 ─ 女流ミステリー傑作選」(ハルキ文庫)の最後は篠田節子の
『秋草』。不倫関係にある男女が京都で逢引・・しかし、すでに互いの情熱は
尽きていると感じた女は──。

もー、迫力ありすぎ!女の思いつめるような形相が、ガンガン迫ってきます。
対照的に、男は冷静ですね〜。冷やかなまま終わるのかと思ったら、この男、
意外といい人です。「私の妻です」─って、ん〜嘘も方便ですが・・。なかなか、
こんな場面では言えないですよ。きっと。どんな場面かは、読んでみて下さい。

読み終えて、すっきり感はほど遠く、余韻は不安色。
愛し合う時を過ぎたら、こんなふうになるのでしょうか・・。

9作品読んで、特に印象に残ったのは、永井するみの『洗足の家』と篠田節子
の『秋草』ですが、どれもタッチは力強いです。
これで、定価760円+税は、お買い得☆


水野はるか |MAIL
Myエンピツ追加

My追加