水野の図書室
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2003年07月08日(火) 阿刀田高『迷路』

しゃかしゃか更新していくつもりで、阿刀田高「花あらし」(新潮文庫)を読み
始めて・・!あん、このお話・・!・・以前、読んでました・・あぅぅ。
去年、ゴールデンウィークに図書室をしばらく休んだあとに、まず読んだのが、
怖い話のアンソロジー、「七つの怖い扉」(新潮文庫、2002年5月7日記)で、
その最初のお話がこの『迷路』だったのです。

読みながら、どこかで聞いたことがある展開だなぁ〜なんて、うすぼんやりした
記憶をたぐりよせてたんですが・・。頭の中は『迷宮のレプリカント』状態です。

夢なのか現実なのかわからない、先月読んだ川上弘美の「物語が、始まる」
(中公文庫)の幻想も甦ります。きれいな幻想ならいいんですが、『迷路』を
支えるのは、なんとも言えない不気味な怖さ。

「井戸」「赤い月」「死体」・・こう並べるだけでも怖いのに、阿刀田高が捌くと、
120%怖い物語に。。そして、巧みな構成に不思議な安らぎを覚えたり・・。

裏表紙には目を引く一行、「きっと泣ける純愛ホラー」。
まだ泣けません。


水野はるか |MAIL
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