水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2005年02月10日(木) |
夏樹静子『燃えがらの証』 |
はい、如何にも恋愛ミステリーです。夏樹静子の作品は、どうしてこう設定が わかりやすいんでしょうか。登場人物の横顔の雰囲気までも、スルッと想像 できてしまうので、頭の中で勝手にキャスティングしてしまいます。
主人公は、テレビ局勤務の女性、30歳。28歳の人形作家の恋人がいます。 ある日、恋人が人妻風の女性と一緒のところを目撃し、衝撃を受け、彼女を 尾行して、家まで確認するんですが、な、な、なんと、その彼女が殺人事件の 被害者として報道されることに!そして、恋人とは連絡が取れず──。
犯人は恋人か、不倫を知っていた夫か・・となる展開は、隠されていた秘密の 登場で、予想を越える事態となり、暗く冷たく深いものがあります。こんな事情を かかえた夫婦って、息苦しいです。苦しいですよ。きっと。
ドキッとしたのが、人妻の家と車庫のこと。こういう家、珍しくないですよね。 日常の中の些細な光景が、事件の様子を鮮やかに見せてくれます。
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