水野の図書室
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2005年12月16日(金) 宮部みゆき『この子誰の子』

シックなカバー装画(牧野千穂)に惹かれて「闇に香るもの」(新潮文庫)を
読み始めました。惹かれたのは、装画だけじゃなく作家名にも、です。
宮部みゆき・重松清・東野圭吾・阿刀田高・北方謙三・森瑤子・結城昌治・
勝目梓・・ミステリの名手といわれる方々、安心して読めます。

闇に香るもの─嗜好品を扱った短編を一冊にした北方謙三セレクション。
闇に香る〜大人の雰囲気です。大人の世界を教えてもらえるでしょうか。
幾つになっても、大人になれないと思うこの頃なんです。。


最初は、宮部みゆき『この子誰の子』。
……いきなり、予想と違う世界でした。両親の留守中に、突然、知らない
女が赤ちゃんを連れてやってきて、「この子は君の腹違いの妹よ」などと
話し出します。留守番のサトシ君は14歳。多感な中学生に、いきなり
愛人を名乗るなんて、なんて人よー!と、ドキドキ。ところが、サトシ君は、
聡明で冷静で思いやりがあって、こちらも優しい気持ちに。

女が、お父さんのコーヒーの好みを知っていたことで、少年の気持ちに
変化が生じるシーンが面白いですよ。関心がある人のコーヒーの好みは
気になるもの。あと、辛いものは好きかどうかとか、ね。

AIDをこんなふうに爽やかに描けるなんて、さすが宮部みゆき。
長編も短編も得意な類稀な方なのですね。


水野はるか |MAIL
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