Opportunity knocks
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2005年05月17日(火) 無題

「世界のすべての七月」 T・オブライエン
ティム・オブライエンは「ニュークリア・エイジ」以来読んだことはなかったのだけど、思ったよりするする読めるなあなんておもった。もたもたしたところとか、だからなんなんだ!と言いたくなるようなところもあったけど(まあそういうところがたぶんこの作家の魅力なんだろうけど)それでも、違和感なく気持ち良く読むことができた気がする。

訳者(春樹氏)のあとがきの中に「人々は生き続けるために、燃料としての記憶を切実に必要としている」と書かれている部分があって、それは読んでいてよくわかるなあと思った。人生のあるポイントからそれは必要になりはじめる。そういうものが支えになる、あるいは支えにせざるをえなくなる時期がくるってこと。それはある面からみれば悲しいことなのかもしれないし、可笑しいことかもしれないし、やるせないことなのかもしれない。そういうところをこの小説はごく自然にストレートに書いていたとおもう。

今のところ「本当の戦争の話をしよう」がこの作家のベストであるらしいので今度はそれを読んでみるつもり。たのしみ。


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