Opportunity knocks
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2006年12月10日(日) スクーリング2日目

朝。Rさんと一緒に最寄の駅まで。
Rさんは電車の時間を気にしてはや歩きになっているのに、わたしはというと良い朝だねー、なんていいながらのんびり歩いていたので、駅に着く頃にはダッシュしないといけないくらいの時間になってしまった。
おなかの赤ちゃんをびっくりさせてしまったかも。。と少し反省。でもそれでもとっても清々しい朝歩きだった。

早めに学校についたので、出掛けにRさんにもらった紙袋をあけてみる。朝ご飯だよーとRさんはいっていたのでわくわくしながらあけてみたら、サーモンとアボカドのべーグルサンドと林檎が入っていた。お腹がすいていたのでありがたく頂戴する。素朴な味のするべーグルでとってもとってもおいしかった。こんなにありがたい朝ご飯はほんとうに何年ぶりかなと思う。Rさん、御馳走様でした!

午前中の講義は仁勢物語(伊勢物語のパロディ本)から井原西鶴の「好色一代男」に移って進んでいく。「好色一代男」は、俳諧師であった西鶴があくまで仲間内の読み物として書いた御伽草子で、じっくり読んでみるとなかなか面白い。
本の構成が意図的に源氏物語を模しているのではないかという説があったり、主人公の世ノ介の超人的な好色ぶりや、当時の文化がちりばめられている様子などなど、聴いていてまったくあきなかった。自分の知らないことが多くて、そしてそれに対して少しずつ理解を深めていくうれしさがあって、近世の文学もいいなあとほんとうに思った。
午後も引き続き「好色五人女」の講義が続いて、ずっと古典にひたる一日だった。

五時半に講義が終わって、少し時間に余裕がありそうだったので、新幹線に乗る前にRさんに教えてもらった「恵文社」という書店に寄ってみることにする。
祇園行きのバスに乗って高野まで。高野の交差点を過ぎてから1本目の道を北に入り、800mほど歩く。Rさんに書いてもらった地図を片手にてくてく歩いていたらそれらしい本屋があった。通りに面していて窓が広く、レンガの壁に緑色の両開きの木のドアがある。入ってみると広いスペースに数え切れないほどの本が並んでいて、とても落ちついた雰囲気。置いてある本はどれも興味をひくものばかりで、思わず目がきらきらしてしまった。
と、それはいいのだけど、あれもいいなあこれもいいなあとあちこち見ていたら、どうも2時間くらい時間が経過してしまったみたいで、ふと時計をみてびっくりした。あわてて持っていた本をレジに持っていって、(名残惜しかったけど)来た道を戻ってバス停に急ぐ。
恵文社の界隈はどうも学生街らしく、安くておいしそうな居酒屋や何軒もあってかなり後ろ髪をひっぱられた。とても寒い夜だったので、あーおでんとビール、日本酒でもいいなあ、ゆっくりできたらいいのになあ、と未練たらたらで、それでも二晩連続で泊まりというのも(明日仕事だし)無理ということで、ぐっと我慢した。

バス停に並んで206系統のバスに乗る。道がかなりこんでいるので京都駅に着くまでに1時間弱くらいはかかりそう。時間は8時少し過ぎ。東京方面の新幹線の最終は結構早いのでちょっと心配になる。といっても駅につくまで心配しても仕方ないので落ちついて待つ事にした。
でもたぶんよっぽど余裕のない顔をしていた顔をしていたのだろうなあ。隣に座っていたわたしより少し年上の女性が、「たべる?けっこうおいしいでー」といって檸檬味のグミをくれた。その女性は「こんな感じでちょっと疲れてるときにひとつたべるんよ」といっていた。あまったるくなくて、でもちょっとほっとするくらいの甘酸っぱさ。とてもおいしかった。その女性の優しさがうれしかった。

京都駅に着いて壱番早い新幹線に乗る。間に合った安堵感で一気に力が抜ける。
あっというまに名古屋に着いて、すぐローカル線に乗りかえる。
自宅近くの駅に着くと、連れ合いが迎えにきてくれていた。感謝。
長いようなあっという間だったような2日間。とても充実した時間だった。


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